アフリカの電動モビリティ分野で、日本発のベンチャーキャピタルが新たな一歩を踏み出しました。
株式会社Double Feather Partners(DFP)は、アフリカ全域で持続可能な交通システムの普及を推進するAfrica E-Mobility Alliance(AfEMA)と戦略的連携に関する覚書(MOU)を締結しました。
両者は、スタートアップ支援や政策協働を通じて、アフリカのモビリティ・トランジションを包括的に推進していく方針です。
アフリカE-Mobility Weekでの提携発表、次世代交通の推進へ
2025年10月、エチオピア・アディスアベバで開催された「Africa E-Mobility Week 2025」の期間中に、Double Feather Partners(DFP)とAfrica E-Mobility Alliance(AfEMA)は、アフリカ地域におけるモビリティ・トランジションの加速を目的とした戦略的覚書(MOU)を締結しました。
本提携は、環境負荷の少ない交通システムの導入を進めるアフリカ諸国にとって、重要な転換点となる可能性を秘めています。
AfEMAは、アフリカ各国で電動モビリティの社会実装を推進する独立系シンクタンクであり、政策提言やスタートアップ支援を通じて交通の電動化を牽引しています。
一方、DFPはアフリカに特化した日本のベンチャーキャピタル・コンサルティング企業として、現地起業家への投資や事業開発支援を展開してきました。
今回のMOU締結により、両者のネットワークと専門知識を掛け合わせ、持続可能なモビリティエコシステムの構築に向けた取り組みが本格化します。
スタートアップ投資から政策連携まで、包括的な協働枠組み
今回のMOUでは、アフリカにおける持続可能なモビリティ導入・普及を推進するため、幅広い分野での協働が盛り込まれています。
主な内容は、モビリティ・トランジションに関する政策・規制情報やスタートアップの動向共有、有望企業への投資促進、グローバル企業との連携支援などです。さらに、共同研究開発や実証(PoC)の実施、国際機関や援助機関との協働による資金・技術支援の可能性検討も進められます。
DFPの武藤康平CEOは、「本提携は、アフリカの持続可能なモビリティトランジションを推進する上での重要な一歩であり、スケーラブルな電動モビリティ・ソリューションの拡充を進めていく」とコメントしています。
また、AfEMAのWarren Ondanjeマネージングディレクターは、「DFPの実践的な投資姿勢はAfEMAの理念と完全に一致しており、電動化を推進する企業群の成長を共に支えていく」と述べています。
両者の協働により、調査研究・政策提言・事業創出を一体化したプラットフォームの形成が期待されます。
日アフリカ間の新たな産業協力モデルとしての意義
Double Feather Partnersは、アフリカの社会課題をビジネスの力で解決することを使命に掲げ、これまでルワンダ、ケニア、南アフリカ、ガーナに拠点を設置し、130社以上のスタートアップ支援実績を持っています。
現地に根差したベンチャー支援を展開する同社が、電動モビリティの分野においてAfEMAと連携することは、単なる投資活動にとどまらず、日アフリカ間の産業協力モデルを示すものです。
電動バイクやEVバスの導入をはじめ、都市交通の脱炭素化を進める動きが各国で加速する中、政策的支援や規制整備、ローカル企業との連携が不可欠です。
今回のMOUは、その枠組みを補完する国際的パートナーシップとして位置づけられます。両者の協働を通じて、電動モビリティ市場の拡大だけでなく、雇用創出、技術移転、サプライチェーン構築といった多面的な効果が見込まれ、アフリカ大陸の持続可能な発展への貢献が期待されています。
関連記事
WACOCA: People, Life, Style.