ステーブルコインのセーフガード急務、EUリスク監視機関が勧告

 10月2日、欧州連合(EU)の専門機関、欧州システミックリスク理事会は、EU内外の企業が共同発行するステーブルコインについて、セーフガード導入が急務と勧告した。写真は暗号通貨。2022年1月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[フランクフルト 2日 ロイター] – 欧州連合(EU)の専門機関、欧州システミックリスク理事会は2日、EU内外の企業が共同発行するステーブルコインについて、セーフガード導入が急務と勧告した。破綻すれば償還要求が急増し、準備金の流動性が逼迫すると懸念する欧州中央銀行(ECB)と足並みをそろえた。

ステーブルコインは暗号通貨の一種で、通貨や資産バスケットなどの準備資産に固定されることで、価値が安定するよう設計されている。

EUは暗号資産に関し世界で最も厳格な規制を敷いているが、規制が緩い域外の発行体が金融リスクをもたらしかねないとの懸念がある。

欧州システミックリスク理事会は声明で「(EU企業と非EUの企業が共同でステーブルコインを発行する)マルチ発行体スキームには、緊急の政策対応が必要な脆弱性が組み込まれている」などと指摘した。

EUの規則では、ステーブルコインは準備金で完全に裏付けされている必要がある。欧州システミックリスク理事会のトップを務めるラガルドECB総裁は、域外の発行体にも同じ基準を課すべきと主張した。

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