英GDP、第2四半期確報は0.3%増 経常赤字は拡大

 9月30日 英国立統計局(ONS)が30日発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)確報値は0.3%増加した。写真は23日、ロンドンで撮影(2025年 ロイター/Toby Melville)

[ロンドン 30日 ロイター] – 英国立統計局(ONS)が30日発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)確報値は0.3%増と、第1・四半期の0.7%増から鈍化した。速報値からの修正はなく、ロイターがまとめたエコノミスト予想と一致した。

前年同期比では1.4%増と、速報値の1.2%増から上方修正された。

2024年通年のGDP成長率は1.1%で修正はなかったが、25年6月末までの1年間の成長率は1.2%から1.4%に上方修正された。移民などによる人口増加の影響を除いた同期間の1人当たりGDPは前年比0.9%増加した。前年は横ばいだった。

British GDP grew 0.3%% in Q2 2025.British GDP grew 0.3%% in Q2 2025.

英国は上半期に主要7カ国(G7)の中で最も高い成長を遂げたことになる。ただ、この経済拡大の一部は、米国の関税発動前の駆け込み輸出など一時的な要因が寄与した面がある。

会計事務所RSM UKのチーフエコノミスト、トーマス・ピュー氏は「下半期は上半期よりも厳しい状況になるだろう」と述べた。賃金上昇ペースの鈍化や、インフレ率が4%へ上昇する見通しを理由に、第3・四半期と第4・四半期の成長率をそれぞれ0.2%と予測した。

「予算における増税に関する憶測が消費者や企業の信頼感にどの程度打撃を与えるかが不確定要素だ」と指摘した。

ONSによると、消費者の将来に対する不安を測る指標ともされる家計貯蓄率は、第1・四半期の10.5%から第2・四半期には10.7%に上昇した。また第2・四半期の企業投資の伸びは速報値の年率0.1%から3.0%に上方修正された。

ONSは、サービス部門全体では成長した一方で、個人消費の伸びはごくわずかにとどまり、消費者向けサービスは小幅なマイナスだったと説明した。

今回のGDPでは英経済が新型コロナウイルス感染拡大前と比べて5.2%拡大していることが示され、これまでの4.5%増から上方修正された。しかしキャピタル・エコノミクスの英国担当チーフエコノミスト、ポール・デールズ氏は「経済が過去数年、若干好調で生産性もやや改善しているとしても、財務相が予算で増税を回避できる状況とは言い難い」との見方を示した。

第2・四半期の経常収支赤字は289億3900万ポンド(388億ドル)と、約2年ぶりの大きさとなり、市場予想の249億ポンドを大幅に上回った。対GDP比では3.8%と、第1・四半期の2.8%から上昇した。

ONSは経常赤字の拡大について、主に英国資産を保有する外国人投資家への配当金支払いの増加を反映していると分析した。

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