9月16日、ベラルーシとの合同軍事演習「ザーパド2025」を視察したロシアのプーチン大統領(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

ロシアが「NATOがモルドバ侵攻を計画している」と主張

[ロンドン発]クレムリンが9月28日のモルドバ議会選のあとマイア・サンドゥ大統領を失脚させるため暴力的な抗議活動を引き起こす環境を整えている恐れがあると米シンクタンク、戦争研究所(ISW、9月25日付)が警鐘を鳴らしている。

 標的となったサンドゥ氏は「クレムリンの狙いは投票箱を通じて政権を転覆させてモルドバをウクライナへの圧力を強める拠点に変え、欧州連合(EU)へのハイブリッド攻撃の足場とすることだ」と警告。議会選の結果は西側の旧ソ連圏諸国の国防・安全保障にも直結する。

 世論調査ではサンドゥ氏率いる親欧州派与党「行動と連帯の党(PAS)」は過半数を失いかねない情勢。ロシアは2014年ウクライナで起きた親欧州派の「尊厳の革命」を逆にまね、ビクトル・ヤヌコビッチ大統領(当時)と同じようにサンドゥ氏を失脚させることを企む。

今年1月、キーウを訪問してゼレンスキー大統領と会談したモルドバのマイア・サンドゥ大統領(写真:ロイター/アフロ)

ギャラリーページへ

 戦争研究所によると、ロシア対外情報庁(SVR)は9月23日、北大西洋条約機構(NATO)がモルドバ侵攻を計画しているとの非現実的な主張を行い、モルドバ国内の恐怖と反欧州・ウクライナの感情を煽ってロシアの工作を正当化しようとしている。

WACOCA: People, Life, Style.