ラグザス presents WBSC U-18 野球ワールドカップ2025の決勝戦が日本の沖縄セルラースタジアムで行われ、満員となる16,693人の観客が見守る中アメリカ(世界3位)が日本(1位)を2対0で破って優勝した。

アメリカは今大会で11回目の優勝を果たし、これで最多優勝記録のキューバと並んだ。また、WBSC U-18 野球ワールドカップ32回の歴史の中で、アメリカにとって28個目のメダル獲得となる。

アメリカがU-18野球ワールドカップの決勝で日本を破ったのは、1982年、2013年、2015年に続き4度目となった。

試合後のインタビューでアメリカ代表のリック・エックスタイン監督は、「最高です。素晴らしいチームが集まった、素晴らしい大会でした。私たちはこの決勝戦に進出し、そして勝利するという目的を持ってここに来ました。日本のチームには敬意を表します。彼らは素晴らしいチームです。すべてを勝ち取れて、私たちは誇りに思います」とコメントした。

エックスタイン監督は、日本を完封して完投した投手コールマン・ボスウィックの傑出したパフォーマンスについて「コールマンは素晴らしいピッチングをしました。他にもジオ・ロハスやカーソン・ボレモンといった、自分の役割をしっかりと果たした投手たちがいます。投手陣全員が本当によくやってくれました。私たちは守備も良く、ここぞという時にヒットも出ました。まさにチーム一丸の努力でした」と称えた。

また守備についても「3回裏にエイデン・ルイスが決めたダブルプレーが試合の流れを変えた」と付け加えた。

エイデン・ルイスは、「日本の打者たちが、ボスウィックのストレートを少しずつ打ち始めているのが見えました。打球がバットを離れた瞬間、打者が左利きだったので少し曲がるだろうと分かっていました。それで、真ん中に向かってグラブを出して捕球しました。そして、本能的に二塁にダイブしたんです」と振り返った。

ルイスは、2025年アメリカU-18代表チームの強みは投手力と守備力であることに同意した。「私たちは世界最高の投手陣と守備力を持っていると信じています。今年のドラフト候補生は本当にすごいんです。アメリカにとって、これほど素晴らしい世代は久しぶりです」

コールマン・ボスウィックは、「とにかくストライクを先行させなければならないと思っていました。もし打たれるようなら、配球を組み立て直そうと思っていました。正直なところ、彼らは打てることを証明してこなかったので、自分のピッチングを貫き、ストレートで先行して、そこから投球を組み立てていきました」と語った。

3番打者のボスウィックは、「投球と打席に立つのは本当に大変で心身ともに消耗します。最終回にはマウンドに集中するために交代させてほしいと監督に頼もうかと思ったほどです。でも、僕は投球も打撃も本当に大好きなんです」と語った。

2023年に初のWBSC U-18 野球ワールドカップ優勝を果たし、連覇を目指していた侍ジャパンの小倉全由監督は、「今大会に参加した全てのチームは素晴らしく、それぞれの強みを持っていて、多くの素晴らしい野球を見ることができました。どのチームも本当によくプレーしました。特にアメリカの力強い野球は、私たちにとって素晴らしいお手本です。私たちは、さらに上を目指して、より一層努力し続けます」とアメリカの勝利を称えた。

日本は今大会、スーパーラウンドでアメリカを6対2で破っており、今回が2025年大会で初めての黒星となった。

チャイニーズタイペイ(世界2位)が韓国(4位)を破り3位獲得

試合ログ

日本の先発は沖縄甲子園のヒーロー左腕の末吉良丞、一方アメリカは右腕のコールマン・ボスウィックを先発投手に起用した。満席の沖縄セルラースタジアムは熱気あふれる雰囲気に包まれた。

1回表、末吉は一死でボスウィックに四球を与えてこの試合初の走者を出し、続くクリストファー・サンプソンがこの試合初のヒットとなるシングルを放つ。1回裏、日本は藤森海斗が内野安打で初のヒットを記録。

2回表、末吉は一死からさらに2人の走者を出したが、後続を連続三振に仕留めてこの回を切り抜けた。

3回裏、先頭の坂本慎太郎は四球で出塁すると、岡部飛雄馬のバントで二塁に進む。続く藤森海斗はボスウィックの初球を捉えて強烈なライナーを放ったが、エイデン・ルイスが華麗なダイビングキャッチで捕球。アメリカのショートは二塁に戻れなかった坂本をダブルプレーに仕留めた。侍ジャパンがビデオ判定を求めたが判定は覆らなかった。

4回表、アメリカが先制。ブロディ・シュマッカーが内野安打で出塁し、パスボールで二塁、さらにアンソニー・マーフィーのヒットで三塁に進むと、ジェイデン・ジャクソンのスイングバントによる一塁へのゴロの間にホームインし、1点を先制した。

日本のマウンドには左腕の石垣元気が上がり、フライアウトとゴロでこの回を切り抜けた。

5回表、一死から四球2つと死球でエイデン・ルイスが三塁に進むと、ブロディ・シュマッカーのレフトへの犠牲フライで生還し、アメリカは2点目を入れた。

ボースウィックは日本打線を難なく抑え込んだ。わずか82球で完投し、被安打は3、与四球は1のみ。アメリカが先制して以降、ボースウィックが許した走者は失策による1人を含めて2人だけで、最後の7人はきっちり仕留めた。

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