【スカッとする話】「離婚届にハンコ押して出ていけ」結婚25周年、一方的に離婚宣言する夫→お望み通り離婚すると夫から鬼電が【朗読】【シニア】
離婚届けそこに置いておいたから反抗をし て出て行ってくれ。結婚25周年の記念日 の朝でした。 テーブルの上にはすでに夫の署名とイ環が 押された離婚届けが置かれています。私の 欄だけが空白のまま残されていました。 聞こえなかったのか。離婚だよ。離婚。 そうですか。なんだ、夜けにあっさりだな 。もっと泣きめくかと思ったが、私は何も 答えずゆっくりと箸を置きました。 まあいい。どうせお前に拒否権なんてない 。30歳の彼女と新しい人生を始めるんだ 。若くて美しい女性とな。お前みたいな 古臭い女とこれ以上一緒にいる理由はない 。お前は女として終わってるんだよ。 古臭いですか? 夫を支えることこそが妻の役割だと25 年間信じて生きてきた私。薬剤師として得 た収入は全て夫に渡し、家計管理は任せき でした。残業で疲れて帰っても夫の夕食は 必ず手作りで用意しました。休日も夫の 趣味であるゴルフの送迎や対相手への 手土産選びに放送していました。 そんな献身を今目の前でゴミのように 切り捨てられています。とにかく強に出て いけ。荷物は後で送ってやる。 夫はスーツのポケットから車のキーを取り出すと玄関へ向かいました。 ああ、それから慰謝料も財産分野も期待するなよ。お前には一戦もやらない。振り返りもせずドアを閉める音だけが響きます。私は離婚届けを手に取りました。夫の言う通り普通なら泣いたり怒ったりするかもしれません。 25年という時間を否定されたのですから ですが、この時の私は冷静でした。離婚 届けを見つめながら心の中で小さく決意が 固まっていくのを感じます。なぜなら私は 全て知っていたからです。きっと夫は後悔 することになるでしょう。離婚届けを手に したまま、私は静かにリビングのソファー に腰を下ろしました。実は私は3年前から 夫の不倫を知っていたのです。最初に 気づいたのはクレジットカードの迷彩でし た。見覚えのない高級レストランの支払い が月に何度も記録されていました。私の 誕生日でも結婚記念日でもない日に2人分 のディナーコース。シャンパンやワインの 金額から相手が女性であることは明白でし た。探偵事務所に依頼したのはその翌月の ことです。調査報告書にはまゆという女性 と親密に歩く夫の写真が何枚も添付されて いました。 座のクラブで働く女性。長い黒髪に ブランドものバッグを持ち、夫の腕に 寄り添う姿が映っていました。ホテルに 入っていくの後ろ姿もしっかりと記録され ています。 証拠は十分でした。すぐにでも夫を 問い詰めることもできたでしょう。でも私 はそうしませんでした。なぜ3年間も黙っ ていたのか理由は明確でした。まず第1に 娘の存在がありました。当時み崎はまだ 25歳で就職して間もない時期でした。 両親の離婚騒動で娘の新しいスタートに影 を落としたくなかったのです。せめて 社会人として安定するまでは家庭を維持し たいと考えました。第2に経済的な準備が 必要でした。私の収入は全て夫に渡してい たため、手元にはほとんど貯金がありませ んでした。離婚後の生活を考えれば まとまった資金が必要です。 証拠を集めながら同時に自分の基盤を 整える時間が必要だったのです。 そして第3に正直に言えばまだ夫を信じ たい気持ちが残っていました。一時の気の 迷いかもしれない。いずれ目を覚ますかも しれない。 25年間連れった相手への最後の期待だっ たのかもしれません。でもその3年間は 無駄ではありませんでした。私は薬剤師と しての本業に加えて制約会社の研修行使や 薬学生向けの国家試験対策セミナーの仕事 を引き受け始めました。週末には在宅医療 の勉強会で講演することも増えていきまし た。これらの副収入は全て私個人の口座に 蓄えました。夫には内緒です。さらに2年 前、実家の父が亡くなった際に相続した不 動産がありました。駅から徒歩5分の賃貸 マンション。月15万円の家賃収入が安定 して入ってくるようになりました。この 収入も夫には一切話していません。 相続の手続きは全て1人で行い、当期も私 の単独名義にしました。 そして半年前、私は海の町に小さな一軒屋 を購入しました。 静かな住宅街にある2LDKの平屋です。 庭には小さな花壇があり、リビングからは 遠くに海が見えます。 不動産屋には別居中の親族が済むためと 説明し、現金で一括購入しました。 3000万円を超える貯金はこの3年間で コツコツと作り上げたものです。薬剤士と しての年収は約1000万円。副業と不 動産収入を合わせると年間1300万円 以上の収入がありました。 夫はそのことを全く知りません。私が 単なる地域の薬剤師だと思い込んでいるの です。準備は着くと進んでいきました。 新居の家具も少しずつ増え、引っ越しの 段取りも決めていました。 弁護士との相談もすでに済ませてあります 。不倫の証拠、財産分与の資料全て万全に 整えていました。あはタイミングを待つ だけだったのです。それなのに夫の方から 先に離婚を切り出してくるとは。 私は苦傷しながら離婚届けを見つめました 。夫は私の準備のことなど何も知らないの でしょう。 家座の残高が0になっていることもこの家 の家具や家電が全て私の収入で購入した ものだということも 高熱費の契約が私の名義で支払いも私の 個人口座から引き落とされていることも 夫が知っているのは表面的な生活だけです 。献身的に尽くす妻の姿だけを見てその裏 で何が起きているのか想像もしていないの でしょう。 私は立ち上がり寝室のクローゼットから すでに用意してあったダンボール箱を 取り出しました。今日という日が来ること は分かっていたのです。ただもう少し先だ と思っていただけでもこれで良かったのか もしれません。もう演技を続ける必要は ないのですから。夫が家を出て30分後、 私のスマートフォンがなりました。おい、 今銀行にいるんだが口座の残高がおかしい ぞ。システエラーか。何がおかしいのです か?家計口座に金が入ってないんだ。先月 まで500万はあったはずだろう。お前 何か知ってるか?私は静かに答えました。 全て引き出させていただきました。離婚 するのでしたら財産は整理しておかないと 。電話の向こうで夫が息を飲む音が聞こえ ました。 なんだと?勝手に何してるんだ?それは俺 が管理してる金だぞ。あなたが管理してい たのは確かですが、入金していたのは私 です。通帳の入金履歴を確認してみて ください。実際過去25年間の入金記録は ほぼ全て私の給与振り込みでした。 夫の給料は別鉱山に入れたまま趣味や交際 費に消えていたのです。電話は一方的に 切られました。 それから2時間後、夫は弁護士を連れて家 に戻ってきました。玄関先で興奮した様子 の夫と落ち着いた雰囲気の中年弁護士が 立っていました。奥様突然お邪魔して 申し訳ありません。離婚の件でお話があり ます。どうぞお入りください。ちょうど私 も弁護士の先生に連絡を取ったところです 。 リビングに案内すると夫の弁護士は慎重に 切り出しました。ご主人からは円満に離婚 を進めたいとのご移行を伺っています。 慰謝料や財産分についても適切に処理し たいと。そうですか。ではこちらの資料を ご覧ください。私はすでに準備していた ファイルをテーブルに置きました。 事務所の調査報告書、不倫の証拠写真、 ホテルの領収書のコピー。3年分の証拠が 自系列で整理されていました。弁護士の 顔色が変わりました。これはいつから把握 されていたのですか?3年前からです。 正木さんとまゆさんの関係は全て記録して あります。夫の顔が青ざめていくのが 分かりました。 お前知ってて黙ってたのか?はい。あなた が気づくのを待っていました。でも今朝の 態度で全て理解しました。反省する気は ないのだと。弁護士は資料を慎重にめくり ながら夫に小声で何かさきました。 おそらく不倫の証拠がこれだけ揃っていれ ば慰謝料請求は避けられないと説明して いるのでしょう。奥様確認させてください 。この家の住宅論はどちらの名義ですか? と土地は私の実家から相続したもので私の 単独名義です。建物のローンは関西してい ますが頭金の8割は私の両親が出してくれ ました。私は当規模東本と両親からの増与 契約書を見せました。家具や家電について は全て私が購入したものです。領収書と 保証書があります。ダンボール箱から整理 された書類の束を取り出しました。冷蔵庫 、洗濯機、エアコン、テレビ全ての家電の 領収書。アテナは全て私の名前でした。 嘘だろ?俺も金を出したはずだ。 いいえ、あなたが出したのはゴルフラブと釣り道具だけです。それらはお持ちください。弁護士は困惑した表情で夫を見ました。この状況では夫が主張できるものは何もないとでしょう。熱費の件も伝えしておきます。 全て私の名義なので明日には停止手続きをします。再契約される場合はご自身でお願いします。 ちょっと待て。それじゃ生活できないだろう。 私がなくても問題ないとおっしゃったのはあなたです。その時私のスマートフォンに着信がありました。引っ越し業者からでした。はい。 予定通り午後3 時にお願いします。リストの家具と家電を全て運び出してください。引っ越し業者何を運ぶんだ? 私の所有物です。この家にはあなたのゴルフバッグと釣り竿以外何も残りません。夫の弁護士が慌てて提案しました。 奥様、少し冷静に話し合いませんか?ご 主人も感情的になっていただけで。いいえ 、話し合うことは何もありません。離婚 届けにサインはしました。財産分野与は 法律に従って処理します。不倫の慰謝料は 改めて請求させていただきます。私は自分 の弁護士に電話をかけました。先生、予定 通りお願いします。相手方の弁護士も いらしているので、今後の連絡先は先生を 通してください。電話を切ると夫の弁護士 に名刺を渡しました。私の代理人です。 今後はこちらにご連絡ください。わかり ました。ご主人。今日のところは引き上げ ましょう。待てよ。こんな一方的な。今は 不利です。戻って対策を考えましょう。 夫は悔しそうに私を睨みましたが、弁護士 に促されて家を出ていきました。午後3時 、予定通り引っ越し業者が到着しました。 手はよく家具や家電が運び出されていき ます。冷蔵庫も洗濯機もソファーも ダイニングテーブルも。4時間後家の中は ガランとした空間になりました。 残されたのは作り付けの収納と夫のゴルフ 用品だけ。私は最後にキッチンのテーブル に離婚届けと手紙を置きました。25年間 お世話になりました。新しい人生を楽しん でください。裕子。 完潔な文面です。もう多くを語る必要は ありませんでした。鍵を置いて私は家を出 ました。2度と戻るつもりはありません。 新しい人生が私を待っているのですから。 海辺の新居に到着したのは夕方6時過ぎ でした。千葉の暴走半島にある静かな海辺 の町。ここが私の新しい生活の拠点になり ます。引っ越し業者が運んでくれた家具を 配置し、ようやく1息着た時、娘のみ先 から電話がかかってきました。お母さん、 お父さんから聞いたよ。離婚するって本当 ?ええ、本当よ。心配かけてごめんなさい 。うん。実はずっと気づいてた。お父さん の態度ここ数年おかしかったもの。 お母さんが我慢してるのも分かってた。 娘の言葉に胸が熱くなりました。子供は親 が思う以上に多くのことを見ているのです 。お母さんの決断を応援するよ。もう十分 頑張ったんだから、これからは自分のため に生きて。ありがとう。みさ。新しい住所 を教えて。今度遊びに行くから。娘との 電話を終えた後、私は改めて自分の選択を 振り返りました。 なぜもっと早く離婚しなかったのか?理由 は複雑に絡み合っていました。まず子供の 存在が大きかったのは事実です。み崎が 社会人として独立するまでは形だけでも 家庭を維持したかった。両親の不中で娘の 人生に影を落としたくなかったのです。で もそれだけではありませんでした。経済的 な不安もありました。長年収入を全てまに 預けていた私には自分で生活を立て直す 自信がなかったのです。薬剤師としての 収入があっても財産管理の経験がなく不安 でいっぱいでした。だからまず自分の基盤 を作ることから始めたのです。 個人講座を解説し、副業を始め、少しずつ 貯金を増やしていきました。不動産収入を 得て投資信託も勉強しました。税金や保険 についても1から学び直しました。 3年かけてようやく1人でも生きていける 自信がついたのです。そして最も大きな 理由は私自身の思い込みでした。夫婦は 支え合うもの、妻は夫を立てるもの。家族 を支えるのは女性の役割。 そんな古い価値観に私は縛られていたの です。母から教えられた憲の教え。昭和の 時代にすり込まれた女性像。それらが 正しいと信じて25年間生きてきました。 でも時代は変わりました。 女性も経済的に自立し、自分の人生を選択 できる時代になりました。私の周りの若い 薬剤師たちは結婚しても仕事を続け、家事 も育児も夫と分担していました。彼女たち を見て私は初めて気づいたのです。私の 生き方は私が選んだものではなく、 押し付けられた方に自分を当てはめていた だけだったと。翌朝、私は弁護士事務所を 訪れました。担当の女性弁護士、田中先生 は40代前半の相明な方でした。西村さん 、昨日は大変でしたね。相手方の弁護士 から連絡がありました。どんな内容でした か?慰謝料なしでの離婚を希望している そうです。財産分与も最小限にしたいと。 私は苦傷しました。でもご安心ください。 これだけ証拠が揃っていればこちらが圧倒 的に有利です。不倫の慰謝料は300万 から500万は請求できます。 先生、私は争いたいわけではないんです。 ただ正当な権利は守りたい。もちろんです 。感情的な争いではなく法的な処理として 進めましょう。弁護士と話し合い方針を 決めました。不倫の慰謝料は請求するが 過度な要求はしない。財産分与は法律に 従って公平に行う。真剣や養育費は関係 ないので純粋に夫婦感の生産だけ。ところ でご主人は西村さんの収入をご存知ないん ですね。ええ、給料は全て渡していました が金額は詳しく知らないはずです。 年収1000万を超える薬剤師さんは 珍しいですからね。しかも副業と不動産 収入もある。まさ木は私をただの町の薬剤 師だと思っているんです。 田中先生は資料を見ながら続けました。 財産分与の計算をしましたが、むしろご 主人の方が支払う画場になりそうです。 どういうことですか?過去25年間西村 さんの収入が家計を支えていました。一方 ご主人の収入は個人的な支出に使われてい ます。貢献度で言えば西村さんが圧倒的 です。皮肉な結果でした。金目当てと言わ れた私の方が実は経済的な柱だったのです 。 弁護士事務所を出た後、私は市役所に 向かいました。 離婚届けの提出、住民表の移動、健康保険 の変更手続き、1つ1つ新しい生活のため の手続きを進めていきました。 窓口の職員は事務的に処理してくれました が、最後に優しく言いました。新しい生活 頑張ってくださいね。その言葉に思わず涙 がこぼれました。 知らずの人からの励ましがこんなにも心に 響くとは。夕方新居に戻るとダンボール箱 に囲まれた部屋が待っていました。 1つ1つ開封しながら新しい生活の準備を 進めていきます。 食器を棚に並べ、洋服をクローゼットに かけ、本を本棚に納めていく。全て私が 選んだもの。私の好みで、私の判断で、私 のために用意したもの。25年ぶりに自分 だけの空間を作っているのです。ふと窓の 外を見ると夕日が海に沈んでいくのが見え ました。オレンジ色に染まった空と海。 静かに暮れていく1日。明日からは新しい 朝が始まるのです。私は深呼吸をしてこれ までの人生を振り返りました。25年間の 結婚生活。それは失敗だったのでしょうか ?いえ、そう思いません。みという 素晴らしい娘を授かりました。薬剤師とし て成長する機会も得ました。人を支える 喜びも知りました。ただ方向が間違ってい ただけ。 相手も方法も、そして何より自分自身への 向き合い方が間違っていただけなのです。 これからはその間違いを正していく。自分 のために生きることはわがままではない。 自立することは孤独ではない。新しい人生 を選ぶことは過去を否定することではない 。学びと捨て受け止め前に進むことなの です。スマートフォンがなりました。まさ からのメッセージでした。話し合いたい。 もう1度考え直してくれ。私は既読をつけ ずにそっとスマートフォンを置きました。 もう振り返ることはありません。 新居での生活を始めて1週間が経った頃、 娘のみ崎から電話がありました。お母さん 、お父さんから連絡があったよ。なんか 大変なことになってるみたい。どんな様子 だったの?家に何もなくて困ってるって。 冷蔵庫も洗濯機もないって騒いでた。そう 。全部持ち出しましたから。お母さん徹底 的だね。でも当然だよ。全部お母さんが 買ったものだもん。娘の言葉に少し心が 軽くなりました。 それでね、お父さん私にお金貸してって言ってきたの。まさか貸したりしてないでしょうね。 もちろんったよ。 60 歳にもなって娘にお金をせびるなんて情けないよね。私は苦笑しました。将が家電を買い揃えるもないことは予想していました。 給料の大半は趣味と交際費に消えていたの ですから。それから数日後、弁護士の田中 さんから連絡がありました。西村さん、ご 主人側の弁護士から面白い話を聞きました よ。何かあったんですか?ご主人、高熱費 の再契約ができなくて困っているそうです 。保証金が払えないとか 保証金そうですね。支払い実績がない人は 保証金が必要ですから。電気もガスも水道 も全部奥様名義だったんですね。はい。 25年間ずっと私の口座から引き落として いました。田中先生は関心したように言い ました。 さすがですね。ここまで準備されていたと は。3年間かけて少しずつ準備しました。 2週間が経った頃薬局の同僚が教えてくれ ました。 西村さん元ご主人のこと聞いた?いえ、 何か?不倫相手に振られたらしいわよ。お 金がないって分かった途端に。そうですか 。銀座のクラブの女性でしょ。最初から 金目当てだったのよ。 予想通りでした。30歳の女性が60歳の 男性に純粋な愛情を持っているとは思え ませんでした。その後元同僚の男性からも 連絡がありました。裕子さん、まさんの こと心配じゃないですか?どうしてですか ?会社で問題になっているんです。グリン 騒動が取引先にまで知れ渡って仕事に影響 がええ、人事部から警告を受けたそうです 。このままだと広格もありうるって。 私は複雑な気持ちになりました。自業自と はいえ25年間連れった相手です。でも 同場する気にはなれませんでした。離婚 から3週間後、銀行のATMで偶然の知人 に会いました。西村さん、お久しぶりです 。大変でしたね。お気遣いありがとう ございます。正さんビジネスホテルグラス だそうですね。そうなんですか。ええ、 この前偶然あったんです。やれていて別人 みたいでした。私は軽く餌釈をしてその場 を離れました。まがどこでどう暮らそうと もう私には関係がありません。でも内心で は思いました。家事も料理も選択も掃除も 何ひつできない人がどうやって1人で生活 するのか。 30歳の女性と新しい人生を始めるどころ か日常生活すらままならないでしょう。 1ヶ月後、田中先生から再びがありました 。西村さん、ご主人の弁護士から泣きつか れました。何かありましたか?慰謝料の 減額を求めてきました。支払い能力がな いって。幻額ですか?でも断りました。 不倫の証拠がこれだけあるんです。むしろ 400万は良心的です。そうですね。お 任せします。それと財産分の件ですが、 計算したらご主人が払う側になりそうです 。え、25年間の貢献度を考えると西村 さんの方が圧倒的に高いんです。年収も 家計への貢献も 皮肉なものです。金目当てとの知った相手 に逆に支払わなければならないなんて。 夕方新居のリビングで紅茶を飲みながら私 は考えました。まさは今頃どんな気持ちで いるのでしょうか?課道具もなく、お金も なく、愛人にも捨てられ、仕事でも窮地に 立たされている。全て自分が巻いた種です 。 私を鬼物と言ったま。でも実際には私なし では生活すらできない人だったのです。 本当に不要だったのはどちらだったのか。 答えは明白でした。スマートフォンにま からのメッセージが何つも届いていました 。 話がしたい。誤解がある。もう一度 考え直してくれ。私は全て既読をつけずに 削除しました。窓の外を見ると穏やかな海 が夕日に照らされていました。新しい生活 が静かに始まっています。まさの混乱や 孤立はもはや私の問題ではありません。 それぞれが選んだ道をそれぞれが歩むだけ です。私にはこれから始まる新しい人生が あるのですから。 放送半島の新居でようやく落ち着いた生活 が始まったと思った頃でした。穏やかな 日々が続いていましたが、スマートフォン だけが必要になり続けます。着信は全てま からのものでした。日に日に回数が増えて いく一方です。私は1度も出ませんでした 。 しかしある朝新居のインターホがなりまし た。モニターを見ると八れた顔のまが立っ ています。裕子、頼む。話を聞いてくれ。 5分でいい。いや、3分でいいから。私は しばらく迷いましたが、インターフォンで 応答しました。話すことは何もありません 。弁護士を通してください。彼の必死な 様子に結局玄関先だけで会うことにしまし た。ドアを開けるとそこには違えるほど やれたまが立っていました。 スーツはシだらけで武将髭が伸び、目の下 には熊ができています。裕子、戻ってきて くれ。俺が間違っていた。お前がいないと 何もできないんだ。洗濯も料理も部屋の 片付けさえまともにできない。 私は冷静に答えました。 それは家事ができないということですね。 火政府を雇えばいいじゃないですか。違う 。そうじゃないんだ。お前が必要なんだ。 25年間一緒にいた時間は嘘じゃなかった はずだ。私は小さくため息をつきました。 25年間確かに一緒にいました。でもまに とってそれは何だったのでしょうか?便利 な火政府。 金目当て女として終わっている。そう言ったのは将自身です。感情的な時こそ本音が出るものです。まさん、あなたは私の年収を知っていましたか? それは知らなかったか? 1000 万を超えていました。副業と不動産収入を合わせると年間で 1300万円です。 あなたは私を金目当てだと言いましたが、 実際は逆でした。25年間私の収入が あなたの生活を支えていたんです。まの顔 が青ざめました。素人しなかっただけです 。私が何の仕事をしてどれだけ頑張って いるか1度でも興味を持ったことがあった でしょうか? 薬剤師として朝から晩まで働き公演や研修 の仕事もこなしていました。でも正は1度 も私の仕事に興味を持ちませんでした。私 は正にとってただ家にいて家事をする存在 でしかなかったのです。 謝る。本当に悪かった。もう一度チャンス をくれ。まゆとは別れた。もう2度と浮気 はしない。 別れたのではなく捨てられたのでしょう。 お金がなくなったら相手にされなくなった 。それが現実です。正さん、信頼は1度 壊れたら元には戻りません。それはあなた が考えることです。私はもうあなたの人生 に責任を持ちません。裕子、お前は俺を 愛していたはずだ。愛していました。過去 系です。3年前、あなたが不倫を始めた時 からです。正は驚いた顔をしました。3年 前から知っていたことを告げるとなぜ黙っ ていたのかと問われました。 娘のため、そして自分の準備のため、 あなたが開心することも少し期待してい ました。でももう遅いのです。待ってくれ 。やり直そう。カウンセリングでも何でも 受ける。私は首を横に振りました。私が あなたを必要としていると思っているよう ですが違います。必要としていたのは あなたの方です。 家事、家計管理、健康管理、スケジュール 管理全て私がやっていました。60歳にも なって自分の生活さえまともに管理でき ない。それなのに30歳の女性と新しい 人生を始められると本気で思っていたの でしょうか? もういい。わかった。お前は俺を見下して いるんだな。 下してはいません。ただ事実を述べている だけです。まは突然起こり出しましたが、 それも予想通りでした。追い詰められると 怒りでごまかそうとする。それが正の上等 手段でした。正木さん、これが最後です。 もう2度と会うことはありません。新しい 人生を頑張ってください。私も頑張ります 。裕子。 私はドアを閉めました。まさの叫ぶ声が 聞こえましたが振り返りませんでした。 部屋に戻るとスマートフォンに何度も着信 がありました。全てまからです。私は着信 拒否の設定をしました。これで完全に過去 との決です。窓の外を見ると青い海が 広がっていました。波の音が静かに聞こえ てきます。新しい生活のBGMとしてこれ ほどふさわしいものはありません。 私は深呼吸をして仕事の準備を始めました 。 今日から訪問薬剤師としての新しい仕事が 始まるのです。 地域の高齢者の方々の自宅を訪問し、薬の 管理や健康相談を行う仕事。これまでの 経験を生かしながら、より直接的に人の役 に立てる仕事です。準備をしながらふと 思いました。25年前結婚した時の私は何 を夢見ていたのだろうと。幸せな家庭。 抑え合う夫婦 老語 そんな理想を描いていました。でも現実は 違いました。一方的な奉仕感謝のない日々 、そして裏切り。理想と現実のギャップに 長い間苦しみました。でも今は違います。 理想を負うのではなく現実を受け入れその 中で最善を選ぶ。 それが大人になるということなのかもしれ ません。 私は25年間も間違った選択を続けて しまいました。あなたに尽くすことが愛だ と信じていました。でもそれは依を生む だけでした。なぜ1人で生活できないのか 。その答えは明白です。私が全てを代わり にやってしまったからです。 相手の最出発 遅いと思う人もいるでしょう。でも私は 思うのです。人生100年時代まだ40年 以上あります。その40年を自分のために 使える。それは素晴らしいことではない でしょうか。鏡を見るとそこにはリンとし た表情の女性が映っていました。もう誰か の妻でも誰かの火政府でもない。西村裕子 という1人の人間です。さあ、新しい1日 を始めましょう。私は玄関を出て朝日を 浴びながら歩き始めました。海風が 心地よく頬を撫でていきます。 まさはこれから自分の選択の結果を身って 知ることになるでしょう。でもそれはもう 私には関係のないこと。私には私の人生が あるのですから。最後の面会から3ヶ月が 経った頃、義母から電話がありました。 裕子さんお久しぶりね。お母さんお久し ぶりです。まのこと本当にごめんなさいね 。あの子が悪いのよ。いえ、もう過ぎた ことです。義母は深いため息をつきました 。今うちに転がり込んでるのよ。60歳に もなって。そうですか。ビジネスホテル 暮らしが続いてお金がそこをついたみたい 。毎日のホテル代に外速費、クリーニング 台。あなたが管理していた時はそんなにお 金がかかるって分かってなかったのね。 義母の話は続きました。会社でも大変な ことになってるらしいわ。部長から平社員 に広格されたって。広格ですか?ええ、 不倫騒動が取引先にまで知れ渡って会社の イメージを損なったからって給料も3割 減らされたそうよ。みない話をね。85歳 の母親の家に60歳の息子が転がり込む なんて。洗濯機の使い方も分からない。 アイアロンもかけられない。最初は服を 縮ませたりシャツを焦がしたりしてたわ。 お母さんも大変ですね。私はあの子の火家 火政府じゃないって言ってやったのよ。 裕子さんに甘やかされて何もできない大人 になってたのね。掃除機のゴミの捨て方 さえ私に聞かなければ分からなかったのよ 。毎晩天井見つめてるわ。後悔してるん でしょうね。そうですか。裕子さんの年収 1000万超えてたんですってね。あの子 を全然知らなかったみたい。はい。養って もらってたくせに偉そうにしてたなんて 本当に情けない。最初から間違えてたのよ 。裕子さんを大切にしなかった時点で。 これからどう生きていくのかしらね。平年 まであと5年。退職金も慰謝料で大幅に 減る。年金だけじゃとても生活できない でしょう。お母さんも大変でしょうけど。 60歳で特別なスキルもない。財産もない 。生活力もない。そんな男と結婚したい 女性なんていないわよね。裕子さんみたい ないいおもらって、それでも感謝1つし なかった。本当にダメな息子だった。 お母さん、お体に気をつけてくださいね。 ありがとう。裕子さんも新しい生活頑張っ て。あなたなら大丈夫よ。電話を切った後 、私は複雑な気持ちになりました。義母に は何の罪もないのに60歳の息子の世話を させられているのです。弁護士の田中先生 からも正の近況を聞きました。西村さん、 ご主人の件で新しい情報があります。何か ありましたか?会社での扱いがひどいそう です。かつての部下が上司になってコピー までさせられているとか。そうですか。 給料も手取りで25万円程度。そこから 実家に生活費を入れて慰謝料の分割払いを したらほとんど残らないでしょうね。 プライドの高かった人にとってこれほどの 屈辱はないでしょうね。薬局の同僚も町で 正を見かけたと教えてくれました。 この前居酒屋で1人でお酒飲んでたわ。 すっごく吹け込んでて別人みたいだった。 1人で 若い会社員たちが隣で噂話してたのよ。 60歳で不倫して離婚とか3ともないって 。年収1000万超の奥さんを捨てる なんてアホすぎるって。まさ木さん黙って 店を出ていったらしいわ。 昔の同僚からも飲みに誘われることは なくなったそうです。誰も落ちぶれた男と は付き合いたくないのでしょう。ある日、 み崎と海辺の商店街で買い物をしていた時 のことです。お母さん、さっきお父さんが いたよ。物影から見てた。声はかけてこ なかったの?うん。なんかすっごく 吹け込んでた別人みたい。 私たちは新鮮な魚介類を選びながら今夜の 献立てを相談していました。 お母さん、今日は何作るの? パエリアはどう?新鮮な魚介類が手に入ったから。 いいね。お母さんの料理最近すごく美味しくなったよね。自分のために作るようになったら料理が楽しくなったの。 2 人で笑いながら商店街を歩きました。将木が見ていたことは知っていましたが、あえて気づかないふりをしました。 もう関わる必要はないのです。みから聞い た話では正木は私たちを見てそのまま 立ち去ったそうです。声をかける資格など もうないと分かっているのでしょう。 私は明らかに正といた時より幸せです。 解放されたという表現が正しいのかもしれ ません。 25年間、正が私の人生を縛っていたのだ と改めて実感しました。まさはかつて私に 言いました。不要、お荷物、金目当て。で も今その言葉は全て正木自身を表してい ます。母親に依損し、給料も激減し、誰 からも必要とされない。 若い社員たちからは影で笑われ、かつての 部下にコピーを頼まれる日々。それが私を 切り捨てたまの選んだ道でした。そして私 は今自由に幸せに生きています。 重から解放されて 窓の外を見ると穏やかな海が広がってい ました。まがどんな祭路をたどうともう私 には関係ありません。 私には新しい人生があるのですから。離婚 から1年が経ちました。私は海辺の町で 新しい人生を歩んでいます。 朝の海岸散歩が1日の始まりです。波の音 を聞きながら自分の選択を振り返ることが あります。 訪問薬剤師として働く今ある患者さんが 言いました。 村さん、最近とても生きしていますね。そうですか。ええ、何か吹っ切れたような表情です。その通りかもしれません。 25 年間私は大きな勘違いをしていました。に尽くすことが愛だと信じ、自己犠牲を得だと思い込んでいたのです。でもそれは愛ではありませんでした。 相手を依存させ、自分も共依存に陥る 不健全な関係でした。娘のみ咲が先日 こんなことを言いました。お母さんやっと 自分の人生を生きてるね。やっとね。でも 遅くなんてない。気づけたことが大事なん だから。娘の言葉に救われました。確かに 58歳まで間違い続けました。でも気づく ことができた。そして変わることができた 。それは奇跡のようなことかもしれません 。離婚を考えている女性の相談に乗ること も始めました。でも私にも火があって完璧 な人間なんていません。大切なのは自分の 間違いに気づき学ぶことです。この言葉は 私自身に向けた言葉でもあります。収入も 安定し、年収は1400万円を超えました 。でもお金よりも大切なものを手に入れ ました。それは自分への信頼です。1人で も生きていける。誰かに依存せず自立して 生きていける。この確信が私を強くして くれます。 時々正のことを思い出します。恨みはあり ません。むしろ感謝しています。あの離婚 がなければ私は死ぬまで自分の間違いに 気づけなかったでしょう。 25年は長かったけれど無駄ではありませ んでした。人を支えることと依存させる ことの違い。愛することと自己犠牲の違い 。これらを身を持って学べたのですから。 夕暮れの海辺で私は思います。人生に遅 すぎることはない。60歳でも70歳でも 気づいた時が始まりなのだと。明日も患者 さんの訪問があります。自分のため、 そして誰かのために生きる。それが今の私 の幸せです。 自分で選んだ人生はこんなにも充実して いるのです。間違いに気づき、学び、 変わることができた。それが私の最大の 財産なのかもしれません。皆様は私の体験 をどう感じられましたか?動画のご感想や 皆様の体験団などコメント欄でお待ちして おります。最後までご視聴いただき誠に ありがとうございました。
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1 Comment
あまり、あり得ないおはなしですね!そんな人、みぬけない、あなたが、悪いんですよ!せいぜい第二の人生を。おくらし下さい!