(CNN) スペインの道路沿いでおよそ20年前に遺体で発見された女性について、国際刑事警察機構(インターポール、ICPO)のキャンペーンの結果、身元が特定されたことが分かった。
国際刑事警察機構が25日の声明で明らかにしたところによると、ロシア人のリュドミラ・ザバダさんは2005年7月3日、バルセロナ近郊のビラデカンスで発見された。遺体発見時はピンクのトップスにピンクのズボン、ピンクの靴という格好だった。
このとき、ザバダさんは死後24時間以内。発見前の12時間で遺体が移動された形跡があることから、スペイン警察は不審死との見方を示していた。
国際刑事警察機構はザバダさんを「ピンクずくめの女性」と呼んでいた/Interpol
遺体の身元を突き止めることができなかったスペイン警察は、事件を国際刑事警察機構の身元特定キャンペーン「アイデンティファイ・ミー」に付託した。このキャンペーンは23年に立ち上げられたもので、ベルギーやフランス、ドイツ、イタリア、オランダ、スペイン各国で遺体で見つかった女性40人以上の身元特定をめざしている。
国際刑事警察機構はキャンペーンの一環で、それぞれの事件の生体情報を加盟196カ国と共有。この結果、トルコの国立データベースに保管されている指紋と情報が一致した。
情報が一致したのがザバダさんだった。国際刑事警察機構によると、その後に近親者のDNA解析などを行い、身元が確認されたという。
国際刑事警察機構のウルキサ事務総長は声明で「20年の時を経て、身元不明の女性に名前が戻った。身元の特定に成功するたび、行方不明者の家族や友人に新たな希望をもたらされ、捜査員とっては新たな手がかりになる」とコメントした。
「アイデンティファイ・ミー」のキャンペーンで身元特定に成功した事例は3件目。
最初の例はベルギー・アントワープで1992年に殺害された英国人女性リタ・ロバーツさん。ロバーツさんの家族はキャンペーンの報道を見て、見覚えのあるタトゥーに気付いた。
2件目はパラグアイ出身の女性アイノハ・イザガ・イビエタ・リマさんで、スペインの農場の小屋で2018年に遺体が発見されていた。
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