前橋市・小川晶市長 Instagramより
群馬県の小川市長が、既婚の部下X氏と短期間に9回もラブホテルを訪れていた問題が新たな局面を迎えている。「仕事の相談だった」と釈明した市長だが、常識からかけ離れた説明に市民やSNS利用者の反発は強まるばかりだ。9月24日に行われた緊急会見でも釈明は繰り返されたが、会場の空気は冷ややかで、疑念の火種は消えそうにない。
二日連続での密会確認
9月16日、週刊誌「NEWSポストセブン」の取材班が現地で確認したのは、小川市長とX氏が前日と同じくラブホテルへと消えていく姿だった。市長は独身だが、X氏は家庭を持つ身。市役所を後にした市長は、公用車で500メートル先まで移動すると、市営立体駐車場でX氏の高級外車に乗り換え、コンビニを経由して“定宿”とされるホテルへ直行した。
利用したのは3時間休憩で5700円の部屋。入室時にはX氏が周囲を警戒し、市長を先に入室させるという用心深い行動も確認された。約2時間半後に退出する際も、X氏が先に出て状況を確認し、市長は後部座席に身をかがめるようにして車へ戻った。これで7〜9月の間に9回のホテル利用が判明した。
当事者の釈明と矛盾
その後の取材に対し、小川市長とX氏は「ホテルに行ったのは事実」と認めた。市長は「人目を避けて仕事の相談をするため」と説明し、X氏も「カラオケボックスでは人目があったためホテルを提案した」と釈明。しかし、繰り返し利用したのがいわゆるラブホテルである以上、説明は説得力を欠く。
「客観的に見れば疑われても仕方ない」と認めながらも、「一線は越えていない」と強調するX氏の言葉は、かえって不信感を増幅させている。
小川市長が問題視されているのはホテル利用だけではない。市長はX氏と合流する直前まで公用車を使っていた。市役所によれば、公用車は公務や自宅までの送迎に限定され、私的利用は認められていない。市長は「飲み会でも公用車を使うことがある」と説明するが、「ではラブホテル行きも公務だったのか」との疑念を払拭できない。
特に、8月12日の利用は平日の昼間であり、市長が執務時間に「私的な相談」を行っていたのではないかとの指摘もある。市長は「常に連絡が取れる体制を整えていた」と弁明するが、県内で大雨警報が発令されていた9月10日の利用についても「危機管理に支障はなかった」と繰り返すのみだった。
SNSで噴き出す批判と呆れ声
報道が出るや否や、SNSでは批判と失望の声があふれた。
「仕事の相談をラブホでする感覚が理解できない」
「市長も部下も、市民を愚弄している」
「もし本当に相談だけなら会議室を使えばいい」
といった書き込みが相次いだ。
また、「税金で動く公用車をラブホ通いに使ったのか」と怒る声も多く、X(旧Twitter)では「#ラブホ会議」という揶揄的なハッシュタグまで生まれた。市民からは「危機管理を任せられる人物なのか」と市政全体への不信が広がっている。
一部には「性的関係がなかった可能性もゼロではない」と擁護する意見もあったが、「場所を選んだ時点で不適切」とする批判にかき消されているのが実情だ。
緊急会見──沈痛な面持ちでの釈明
9月24日夜、小川市長は緊急会見を開き、約40分にわたり釈明を行った。会場には地元紙やテレビ局に加え、全国紙の記者も詰めかけた。冒頭、市長は深く頭を下げ「不用意な行動で市民に不信を与えた」と謝罪。しかし「男女関係は一切ない」「公務に支障はなかった」との説明を繰り返すのみで、核心的な疑問には答えなかった。
記者から「なぜラブホテルでなければならなかったのか」と問われると、市長は一瞬言葉を詰まらせ、「人目を避けられる場所が必要だった」と繰り返した。さらに「市役所内の会議室は利用できなかったのか」と追及されると、「相手の提案であり、軽率だった」と述べたが、責任を自らの判断として認める姿勢は乏しかった。
会場の空気は終始冷ややかで、記者からは「説明になっていない」との声も漏れ、市長の表情には焦りがにじんでいた。会見後、SNSには「釈明会見どころか火に油を注いだ」「結局何も説明していない」と失望の書き込みが溢れた。
会見の終盤、記者団から「進退についてどう考えているのか」との問いが飛んだ。市長はやや硬い表情を見せ、「市民の信頼を損なったことは重く受け止めている。しかし今は市政を停滞させるわけにはいかない。信頼回復に全力を尽くしたい」と述べ、辞任の可能性については明確に否定した。
ただしSNSでは「潔く辞めるべきだ」「居座れば市政がさらに混乱する」との投稿が目立ち、釈明と同時に進退問題が市民の大きな関心事になりつつある。
透明性アピールとの落差
小川市長はこれまで、交際費の支出を数十円単位まで公開するなど「透明性の高い政治」をアピールしてきた。だが今回の行動は、その看板と真逆の印象を与えている。既婚部下とのラブホテル利用、公用車の扱い、そして会見での説得力を欠いた釈明──。
信頼回復には程遠く、市議会や監査委員会による追及は避けられないだろう。SNSに渦巻く呆れ声が示すのは、市民感覚と市長の言い分の乖離であり、それを埋めない限り政治家としての立場は揺らぎ続ける。
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