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2025年9月24日 19:51

「ユートピア(理想郷)の真逆のディストピア」 県人口は2100年に18万人 出生率低下続けば…県が公表 山梨

 山梨県は出生率の低下がこのまま続いた場合、2100年には県人口は18万人に減り、社会機能の維持が困難になるとする将来像をまとめました。

 小中学校は3分の2、スーパーは8割が姿を消す可能性が示唆されています。

 2100年の将来像は県が先週発表した「県人口ビジョン」の改定で示されました。

 改定では、75年後の県人口を国の専門機関の基準で推計したパターンと、おととしを基準に同じ合計特殊出生率が2100年まで続くと仮定した「現状延長型」、これまでと同じ割合で出生率低下が続いた場合の「悲観型」の3パターンで推計しました。

 その結果、2100年の県人口の推計は、国基準のパターンでは30万1000人余りで2020年比で63%減、「現状延長型」では27万2000人余りで67%減、「悲観型」は18万5000人余りで7割以上も人が減ります。

 山梨県は、このうち最も楽観的な国の基準を基にした場合の人口減少社会の将来像も示しました。

 生活基盤となるスーパーは県全体で現在の2割に減り、頼みの綱のコンビニは約3割に、並ぶ商品は仕入れコストの上昇で、価格高騰も予想されるといいます。

 小中学校は3分の1に、人から人へと受け継がれる郷土料理や伝統芸能は3分の2になるほか、モモやブドウ、ワインなど特産物も存続の危機に直面します。

 県はこうした将来像を理想郷=ユートピアとはかけ離れた「ディストピア」と表現。

 他人事ではなく自分事として県民の意識や行動変容を促したいとしています。県は改定したビジョンをHPで公表していて今後の政策の指針とします。

最終更新日:2025年9月24日 20:47

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