『LXコート』初の実証実験を静岡県島田市で実施

静岡県島田市のキャッチコピーは、「地球上でもっとも緑茶を愛する街」。JR島田駅の南北自由通路には「島田市緑茶化計画」と記された大きなイラストが飾られ、市役所前に設置されている郵便ポストは緑茶色に塗られている。そんな島田市で行われた2025年5月25日の市長選・市議選において、現在開発中のサステナ投票用紙『LXコート』の実証実験が行われた。実験に協力した経緯について、島田市選挙管理委員会の興津裕士氏にお話を伺った。

■ インタビュー

島田市 選挙管理委員会 興津裕士様

■ 基本情報

島田市 選挙管理委員会
所在地 静岡県島田市中央町1-1
    島田市役所本庁舎2 階

■ 導入情報

SDGsへの取り組み強化サステナブルな投票用紙に注目

 「当市の選挙管理委員会では、グローリーさんの『投票用紙分類機 GTS-1000』を使用しています。その関係で、営業の方とは以前から面識があり、グローリー社で『投票用紙の開発』を行っているという話を聞きました。
 それが、石灰石を主原料とし石油由来プラスチックの使用を抑え、さらにリサイクルも可能な製品であるという情報を得て大変興味を持ちました。」

島田市選挙管理委員会 書記長代理 興津裕士氏

 島田市では、SDGsへの取り組みに力を入れており、電子決裁の導入や議案書のペーパーレス化を実現している。
 こうした背景もあり、サステナブルな仕様の投票用紙である『LXコート』が注目された。

『LXコート』と従来の投票用紙の原料の違い

 「従来使用していた投票用紙は、コストの観点から焼却処分をする自治体が多く、島田市でも同様でした。しかし『LXコート』は、製造元が一括して用紙の回収を行うリサイクルのループを構築予定だということ。環境への配慮とコストの観点からも、魅力があると感じました。」

年間4万トンの処理能力を持つTBM社のリサイクルプラント

サステナ投票用紙『LXコート』で貢献するSDGs

選挙は失敗が許されない。熱意を持って検証を重ねたグローリーの姿勢

 「実証実験に協力する自治体を探していると知り、ぜひ島田市でやってみたいと思いました。一方で選挙は、通常の業務以上に失敗が許されません。周囲からは『従来の投票用紙で問題がないのに、なぜ実験に参加するのか』という声が上がったのも事実です。しかし私の上席が『やってみたらどうだ』と背中を押してくれたこともあり、今回協力させていただくことにしました。」

サステナ投票用紙『LXコート』

 「グローリーさんには投票用紙を印刷する地元企業との調整や、交付機などの実機試験を行っていただきました。その真摯な取り組み姿勢と検証データをご提示いただいたことで、安心して選挙当日を迎えることができました。」

単体で燃焼した場合にもダイオキシンや塩化水素が発生しない

選挙は無事に終了、投票用紙に違和感は無し

 「期日前投票から開票作業が終了するまでグローリーさんの担当者が一日中立ち会い、状況を丁寧にチェックしてくださったことも非常に心強く感じました。無事に選挙を終えることができ、グローリーの皆さまもかなりホッとされたのではないでしょうか(笑)。
 実は、『いつもと紙が違う』と気づいた方もいらっしゃいました。ただ、そのような声はごく少数で大多数の方は投票用紙が変更されたことに気づかなかったようでした。」

2025年5月25日島田市長選・市議選 選挙会場

2026年に本格展開、リサイクル対応にも期待

 サステナ投票用紙『LXコート』はさらに改良を加え、2026年に本格展開が予定されている。

 「島田市の市長選・市議選に使用された投票用紙の保管期限は10年間です。10年後、きちんと『LXコート』がリサイクルされるよう、グローリーさんが今後も開発と運用を継続してくれることを期待しています。」

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