[ジュネーブ 15日 ロイター] – パレスチナ自治区ガザの人権に関する国連特別報告者フランチェスカ・アルバネーゼ氏は、イスラエルによるガザ市への攻撃に関し「イスラエルは非通常兵器を用いて爆撃し、パレスチナ人を強制的に避難させようとしている。民族浄化を進める前に、ガザで居住できなくする必要がある最後に残った地域だからだ」と厳しく非難した。ジュネーブで記者団に対して見解を示した。

アルバネーゼ氏は、イスラエルがジェノサイド(民族大量虐殺)を行っているとし、有効な措置を取っていない国際社会も共犯関係にあると指摘した。アルバネーゼ氏はイスラエルによる攻撃が「残されているイスラエルの人質を危険にさらしている」とも述べた。

イスラエルのガザ市攻撃「居住できなくする目的」、国連特別報告者が非難

パレスチナ自治区ガザの人権に関する国連特別報告者フランチェスカ・アルバネーゼ氏は、イスラエルによるガザ市への攻撃に関し「イスラエルは非通常兵器を用いて爆撃し、パレスチナ人を強制的に避難させようとしている」と厳しく非難した。スイス・ジュネーブで同日撮影(2025年 ロイター/Pierre Albouy)

一方、イスラエル国連代表部はアルバネーゼ氏が「イスラエル国家の正当性を否定するため極端な発言」をしてきたとし、今回の発言も受け入れられないとした。

イスラエルはガザ市制圧をイスラム組織ハマス壊滅計画の一環とし、人道支援区域へ避難するよう住民に警告してきた。一方、国連や多数の国々は、強制的な大量移動で、人道支援区域は食料不足などが深刻な状況だと指摘している。

アルバネーゼ氏はイタリア人弁護士で、占領下のパレスチナ地域における人権問題の特別報告を委託されている。ルビオ米国務長官は7月、国際刑事裁判所(ICC)でのイスラエル人に対する違法な起訴を促す活動をしているとしてアルバネーゼ氏を米制裁リストに追加すると発表しており、9月の国連総会で報告するための訪米実現の見込みは低いとみられている。

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