米下院議員、中国の希土類規制解除なければ航空機発着枠制限を要求

米議会下院の中国共産党に関する特別委員会のムーレナー委員長(共和党)は18日、中国がレアアース(希土類)とレアアース磁石の輸出規制を完全に解除しない限り、中国航空会社が米空港を使う発着枠を制限または停止するようトランプ米政権に要求した。写真は2016年3月、中国の北京で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[ワシントン 18日 ロイター] – 米議会下院の中国共産党に関する特別委員会のムーレナー委員長(共和党)は18日、中国がレアアース(希土類)とレアアース磁石の輸出規制を完全に解除しない限り、中国航空会社が米空港を使う発着枠を制限または停止するようトランプ米政権に要求した。

また、中国への商用航空機と部品の販売、整備の提供を巡る輸出管理政策を見直すべきだとも主張した。

ムーレナー氏は「これらの措置は中国が自国の戦略的分野に悪影響を及ぼすことなく、わが国の防衛産業への極めて重要な物資の供給を遮断できないという明確なメッセージを中国政府に送るだろう」と訴えた。

レアアースは17種類ある元素群で、レーザーや軍事装備をはじめ、電気自動車(EV)、風力タービン、家電製品に用いられる磁石に至るまで幅広く使用されている。中国はレアアースとそれらの供給の支配権を握ることに敏感になっており、トランプ政権が輸入品の関税を引き上げた報復として今年4月に複数のレアアース製品と磁石を輸出規制対象に追加した。

米中間の航空需要の低迷が続いているため、米航空会社は発着枠を持っている中国便のうちごく一部しか運航していない。米運輸省は17日、米航空大手のユナイテッド航空、アメリカン航空、デルタ航空が発着枠を持っている週119便の中国便のうち週48便だけの運航を認める措置を6カ月延長することを承認した。中国の航空会社も同じ便数を米中間で運航している。

米航空業界団体はコメントを差し控えた。ワシントンの在米中国大使館は直ちにはコメントを出さなかった。

中国は米国との貿易交渉の一環として、米大手航空機メーカー、ボーイング(BA.N), opens new tabの航空機を最大で500機購入することを検討していると報じられている。

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