欧州連合(EU)加盟国は17日、域内の防衛産業への投資を加速させることを目的とした1500億ユーロ(約26兆円)規模の基金へのアクセスについて、カナダと英国との交渉開始を承認した。加盟国代表で構成するEU理事会の輪番の議長国デンマークが発表した。
合意すれば、英国とカナダの企業は、「セキュリティ・アクション・フォー・ヨーロッパ(SAFE)」と呼ばれる同基金から資金供給される共同調達に参加できるようになる。EUは両国と安全保障・防衛パートナーシップを締結しており、基金へのアクセスもこの枠組みに追加される予定だ。
SAFEプログラムは、2022年のロシアによるウクライナ全面侵攻を受けて、欧州が防衛体制を強化する取り組みの一つだ。背景には、米国のトランプ政権が欧州での米国の安全保障への関与を縮小するとの懸念が背景にある。現在、この基金は主にEU加盟国の企業を対象としている。
基金の約3分の1はポーランドに割り当てられる。加盟国は、11月30日までに資金拠出を受けるための具体的なプロジェクトを提出する必要がある。
この基金は、ドローン(無人機)やサイバー防衛、ミサイル、欧州版エアシールドなど、欧州が必要とする防衛能力の整備の支援を目的としており、EUは、ロシアに対抗できる十分に強力な抑止力を構築したい考えだ。
原題:EU to Start Talks With UK, Canada on €150 Billion Fund (1)(抜粋)
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