フランスのバイル首相は4日、社会党と会談した。8日の信任投票での支持を得るための最後の頼みの綱だったが、同党は不支持の方針を変えない考えを改めて示した。

  バイル氏が強制辞任を免れるには、国民議会(下院)野党の支持が必要だ。だが社会党は、同氏を支持しないとし、オリビエ・フォール第1書記ら党幹部は、首相の座を狙っていると公言している。

  会談後、フォール氏は記者団に「私たちが態度を変えないことは、首相自身も承知しており、何の意外性もなかった」と述べた。同氏は、バイル氏が信任投票を要求するきっかけとなった予算案について「フランスを不況に陥れる」と批判した。

  フォール氏の発言で、中道派が政権を維持する最後の望みを消し去ったようだ。下院で最も影響力のある極右と左派の二大勢力に対し、支持を得るか棄権させるかのいずれにも失敗したことで、バイル氏の命運は尽きつつある。

Francois Bayrou in Paris on Sept. 3.

フランスのバイル首相(9月3日)

Photographer: Eliot Blondet/Sipa/AP Photo

  マリーヌ・ルペン氏が実質的に率いる極右・国民連合(RN)は、バイル内閣が崩壊した場合、マクロン大統領に辞任か下院選の早期実施を迫っているが、社会党はより穏健な対応を求めている。社会党の重鎮ドラポルト議員は、インタビューで「妥協を模索する少数左派政権を望む」と述べ、マクロン大統領に対し、他党と連携して法案成立を目指す穏健左派の首相任命を求めた。

  フォール氏はその役割を引き受け、内閣ポストを社会党議員で埋めることに喜んで応じるとしている。同氏は「私たちの利点は、提案を提示することだ」と語った。

  フランス国債は、4日は上昇している。バイル氏が信任投票を要求して以来、初の国債入札があった。政治的不確実性が続く中でも、投資家が高利回りに依然として関心を持っていることを示している。

原題:French Socialists Meet Premier With Goal of Replacing Him (2)(抜粋)

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