平成23年(2011年)の紀伊半島豪雨からまもなく14年となるのを前に、29人が犠牲となった和歌山県那智勝浦町で慰霊碑がある広場の清掃が行われました。

平成23年9月4日の紀伊半島豪雨では、和歌山、奈良、三重の3県で川の氾濫や土砂災害が相次ぎ、死者・行方不明者はあわせて88人にのぼりました。

このうち、最も多い29人が犠牲となった和歌山県那智勝浦町では、30日、豪雨からまもなく14年となるのを前に、遺族や地元の建設業者などおよそ20人が参加して、慰霊碑のある広場の清掃が行われました。

参加した人は、広場に積もった落ち葉をほうきで掃いたり、伸びた草を刈ったりしたあと、慰霊碑に水をかけ、丁寧に磨いていました。

そして、最後に全員で慰霊碑に向かって静かに手を合わせました。

父親とおいを亡くした岩渕三千生さんは、「犠牲になった人たちに元気かと声をかけるような気持ちで慰霊碑を磨きました。毎年、9月4日になるとつらい気持ちがよみがえってきますが、前向きに頑張っていきたい」と話していました。

犠牲者の遺族で作る遺族会は去年(令和6年)解散しましたが、この広場では来月(9月)4日、災害が発生した時刻に遺族が明かりをともし、祈りをささげることにしています。

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