死者と行方不明者が合わせて88人に上った平成23年の紀伊半島豪雨など、大規模な水害にたびたび見舞われた奈良県十津川村で、過去の水害の犠牲者を追悼する慰霊祭が行われました。

14年前の平成23年9月の紀伊半島豪雨では、奈良、和歌山、三重の3県で死者と行方不明者が合わせて88人に上り、このうち奈良県南部の十津川村では7人が亡くなり、6人が行方不明となっています。

村では毎年この時期に、▼紀伊半島豪雨や、▼168人が亡くなった明治22年の大雨など、過去6回の水害で犠牲となった人たちを追悼する慰霊祭を開いています。

厳しい暑さを避けるため慰霊祭は役場の中で行われ、遺族や村の関係者などおよそ60人が黙とうをささげました。

続いて、玉置広之 村長が「多くの水害から復興を成し遂げた先人を敬い、後世に水害の歴史と教訓を伝え安心して暮らせる安全な村づくりを進めます」と述べました。

このあと参列者は、1人ずつ祭壇に花を手向けて、犠牲者を悼みました。

紀伊半島豪雨で当時90歳の母親を亡くした市原光留さん(74)は「14年たっても、災害の跡は残っていると感じます。母親には『ゆっくりしてほしい』と手を合わせました」と話していました。

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