三谷幸喜、文楽への愛さく裂で「おもしろい」連呼 三谷文楽『人形ぎらい』開幕前会見
え、三谷です。どうも、え、こんばんは。あの、これからゲネプロなんですけども、えっと、前回が、え、あれは [音楽] 13年前。 そうです。13年前。2012年。 2012年にやって、で、ようやく、え、 あの頃からずっとまた新しい作品をやり たいなと思ってたんですけども、なかなか 機会がなくて、で、ようやく今回、え、 新作を、え、分でやることが作ることが できました。改めて分の世界に入って思っ たんですけどね、やっぱり、あの、 めちゃくちゃ面白いんですよ。こんなに 面白いものが世の中にあるんですね。本当 にそう思います。あの、普段舞台やってて 、ま、演劇の面白さは十分知ってるつもり なんですけども、それとは全く違う、全然 次元の違う、こんなに素敵でなんかもう なんて言うんだろう、もうドリーミーな 世界があったんだっていうことを改めて 感じて、これはとにかくあの、見たこと ない人には是非見てもらいたいし、 とにかく文学の世界を、あ、文学の世界を 知ってほしいなっていう風に思って、これ がいいきっかけになるといいなという風に 思っております。え、皆さんこんばんは。 え、分落の人形使いをしております吉田 一介と申します。え、今日はお集まり いただきまして本当にありがとうござい ます。え、今三谷さんがおっしゃって いただいたように、え、文は非常にこんな に面白いものがあったのかって言って いただける、え、これは本当に伝統芸能の 力、あ、だと思います。しかしこんだけ 褒めていただくとすごいプレッシャーを 感じて本当に面白いんですよ。 びっくりするぐらい面白いですよね。 そうです。そうですか。そう言ってただけるといいんですが、その期待に答えられるように、え、頑張って務めたいと思っています。あの、本当に面白いんですよ、分ってね。これ、あの、なんでなんでこんな面白いんだろうって思ってこう席で見てるんですけども、やっぱり [音楽] 1 つあるのはその人形っていうものがやっぱり小さいじゃないですか。 初めはね、あの、お客さんとして見ると 舞台に出てきた時に、あの、人間のやるお 芝居いを見慣れてるから、見慣れてる人間 からすると、なんて小さい人たちが出てき たんだろうっていう風に思うし、その後ろ にいるなんかあの、3人の黒い人たちは何 なんだろう?って思うんだけども、えー、 もう違和感っていうのは最初の30秒 ぐらいでなくなって、あとはもう本当本当 にその引き込まれるですよね。ま、その 小ささがまずいいなと思って。これが 例えばあの逆に分業が8mぐらいあったら ね、絶対この面白さは出ないと思うんです よ。その小さいながらに必死に生きてる 人間みたいなものを感じて、よりそこの こう凝縮された世界観の中にその僕らの 普段感じてるその感情みたいなものが全部 折り込まれてそれがすごく丁寧に表現され ていくこの世界っていうのがやっぱりこれ はあのこれを知らないであの生きてる人は 本当はもう生きる価値がないんじゃない かっていうぐらいあのそれぐらいすごい ものだという風に思いますのでとにか これをあの大勢の人に知ってほしいっていうなんかその、え、力になればと思って いや、もう本当にこんだけみたいさんに言っていただけると嬉しいです。 え、私たちも300年以上人形上類分落と いうものが続いてきて、え、それを私たち が今、あ、現在こう受け継いでやっていて 、これを先に伝えていかないといけないと いう責任も持って、え、普段、え、古典 芸能の世界でやってまして、今回こうやっ て三谷さんと、ま、15年ぐらい前にね、 え、出会わせていただきまして、え、三谷 分落という新たなこういうね、ジャンルを 作っていただいて非常に、え、楽しい 爆笑というのを切り開いたあことだと思い ます。そして我々古芸論の世界に言います と、作者と演出家が同じというところに 立って、え、お稽古するということが本当 にないので、え、三谷さんとこうしてやら せていただいてるのはすごくいい勉強に なって本当にさっきも直前までお稽古して ましたけども [音楽] 普段は本当に1つの目を1回しか僕ら傾し ないんですが1回しかない。そうですね。 はい。今回結構たっぷりやってますよね。 たっぷりも本当に1日9時間、10 時間やらせていただいてはい。 そう、そう、そう。 体力的にも非常にね、しんどいですけどはい。でも楽しくやらせていただいてはい。 感動してます。 文あんまり笑いはないんですか?それ。 そうですね。あんまりないんですね。 あの、劇というのがないので、大体悲しい芝居が多くて、で、その中にちょっとチャリバという ちょっと3 枚目が出てくるような場面はあるんですが、全編こう笑いに包まれるというのが何? 確かに分ってあの、その悲しい場面とかあと怖い場面、あの、誰かが誰かをさしたり殺す場面っていうのが結構 [音楽] すごいですよね。迫力があるっていうかね。 うん。 それには、ま、叶わないと思うんですけども、でもやっぱり文のその人形の方々が持ってるなんかゆ、ユーモアというかね、ていうのはやっぱすごく感じるんで、ちょっとそれを今回もね、 [音楽] あの、アピールしたいなと思って作りました。 はい。 三谷さんからお願いいたします。 あの、本当に一介さんがおっしゃってたの が、その人間にできることで人形にでき ないことはないっていう前回その話を聞い て、今回のセリフの中にもそれを生かし てるんですけども、え、本当にそうなのか なって最初思ってたんですが、前回はその 例えばじゃこれは無理だろうと思うような 例えばその水中遊泳とかできるんですか? 聞いてだ結局できたんですよね。だから その、ま、なん、何か僕からの挑戦みたい な感じ、これはできないだろうと思って、 え、お願いすると必ずそれができんですよ 。帰ってくるんですよね。で、今回は、ま 、あの、もう全然ネタバレになっても構わ ないと思うんですけども、え、通天確に登 るっていうのとかですね、それから スケートボードに乗るっていうのも やりますし、スケートボードは無理だろう と思ったら全然簡単に1発で乗ってました もんね。うん。そうですね。あの、すごい 力でってそうですね。 あの、意外と僕がスケードボードに乗れるわけでもないし、え、人形使いあと 2人きますけども、誰も1 人としてですけどに乗れることがないんですけども、 みんなは乗れないんですか? 経験何にもなくて 人形使いさんは はい。 で、1 回やってみようか言うて見ていただいたら結構そういう風に見えるっておっしゃっていただいて はい。なんか 僕らが本当に大丈夫なのかなと思ってる。 そうだ。 今日もあの、その通点格に登るっていうシーンを作ったんですけども、そのどうすればもっとこう登ってる感じになるかでやってみててもちょっと自分でも分からない部分があるんです。見ないとね。 そうです。そうなんです。保管で見てないのでどうしてどういう風にやってるかが自分では分かってないんですけど。 それは今までその分の世界で通電に登るシーンってはなかった。 そうですね。ないですね。 わけです。何かに登るっていうのはある。 それはあるんです。 それあるんですかね。 そういうのもなんかやっぱなんかこうやっぱり残ってて やってみてこんな感じかなみたいな。はい。 これもすごいあの店場になってますんで是非期待してほしいと思います。 ありがとうございます。他稽傾中のエピソードなどございますでしょうか? 僕はでもあの前回の稽古よりもはるかにやりやすかった。そう ですよ。そのなんていうか、その僕がやっ て欲しいことをあの人形使いさもそうだし 、多さもそうだし、シ線もそうの方もそう だし、みんなあのすごく的確にこう吸収し てくれるというか、あのすごく表現して くださるんでそこはもう本当に やりやすかったです。あの2回目っていう のもあったんで はいはい 前回はもう本当に探り探りだったですから ね。そうですね。我々も本当にそのみんな がみんな先ほども言いましたけども演出化 というのがほとんどいない状態でなんぼ 分落の新作を作る場合でも、え、演出家が いないことが多くて、え、自分たちで それぞれがその役の人がその役になり切っ て色々作ってくる。そして、ま、分の場合 は太優さん、写メさんとそして人形と産業 が1つになりますので、それぞれが、え、 作ってきたものをぶつけ合って1つの作品 にするので、え、こうやって本当にみたい さんにいろんなことを ね、教えていただきながら作 るっていうのは非常に楽しいし、え、我々 人形使いじゃなしに太陽さん、社さんが、 え、社の鶴さんが殺さ たもをさん、さんで一緒にやるんですけども、これも本当にこんなことはほとんどありえないことなんですけども、え、もうちょっとこういう風に語ってくれ、こういう写見線を引いてくれっていうのを全部みたさんが演出されるので非常に聞きやすくなったりとか、 あの、せ介さん、写見 の介さんが全部曲を作ってくださるんですけど、 その 見た目怖いじゃないですか? 怖い。怖見えないですけど。 はい。はい。 あの、年配の方なんですごい恐ろ恐るだったんですけども、ものすごく精神はお若いっていうか感性が若いですよね。で、何が面白いかってのすごく的確にあの把握されてる方なんですごくやりやすい。 そうですね。 もうこう言うてこうしてくれて言うたらすぐに作曲し直してくれるっていう状態があるのでそれはもうすごいなって僕らも聞いてて関心あと僕はその 2 回目なんでだいぶその分落とはどういうものかどういうことをしてもらうと面白いかみたいなものを日頃僕は俳優さんに当て書きをするんですけどもそれと同じように分落に当て書きをすることができました で、前回は本当に何も知らないとこで入っ たので、え、例えばあの登場人物を10人 ぐらい、え、出したんですね。そしたら 実際やってみたら、え、1人に3人の人形 使いさんがいるから舞台だと30人ぐらい がブわっと溢れても満員電車みたいな感じ になっちゃうんです。あ、で、これは ちょっと人数減らさなきゃいけないなと 思って、で、今回はちょっとね、あの、え 、全部で4人 そうですね。はい。そうです。はい。 ぐらいで、えっと、あの、少なめでやっております。 だからその分その人間模様というかその、え、気持ちみたいなものもすごくこう的確に、え、細かく、え、作ることができたんで、そこもまた見所だと思います。 [音楽] あの13 年かかってしまったの新作っていうのはこの 13 年かかってしまったっていうのは何かあるんでしょうか? ま、僕もあの文落だけに集中して生きていくことができないもんで、あの色々ちょっとやりたいことも他にもねあったもんですからのどうしてもちょっとあのこんな時間がかかってしまったんですけどもでもやっぱやってみるとですね本当に面白いし楽しいし作りがいいのある世界なの え、今の気持ちとしてもう、もうずっともうこの世界にいたいっていう気持ち今はいますよ。多分そうならないと思いますけど、それぐらい素敵な世界ですね。 次は半分ぐらいで6 年後ぐらいには作ってもらえたら嬉しいなと思います。 そうですね。ま、やってみたいなねことはいっぱいあるんですよ。 やっぱり分落の良さってそのなんて言うの?恋愛場面ってやっぱすごいなんかエロチックだし素敵なんですよね。 あとさっきも言ったみたいになんかこう、 え、殺しのシーンとかもやっぱすごい迫力 もあるし人間の俳優さんだとそのどんなに あの舞隊上で殺されて死んだとしても俳優 さんがやってるって分かってるから本当に 死んでないってのは分かるじゃないですか 。でも分落だと人形がその場で死ぬと本当 に魂が抜けてなくなるんですよ。 人形使いさんが手を話した瞬間にこの世界ってのは僕らのいつもやってる舞台で絶対できないもんだからちょっとそういうのもやりたいなとかま、色々こう浮かぶんですけどもちょっと 6年先は難しいかもしれないです。 本当ですか?残念です。 7 年後で ま、またやでもこれもまたね、何回もね、再演できるというはい。そう思います。はい。 え、本当に、え、分落なかなか目にする 機会が少ない方も多いと思いますけども、 この三谷分落をきっかけに本当の分の方も 見ていただけると非常に嬉しいので、え、 今回は精一杯頑張って皆さんの目に、つく ようなお芝居いにしたいとそのように風に 思ってますのでどうぞよろしく楽しんで いただけたらと思います。よろしくお願い します。ありがとうございます。 それでは三谷さんお願いいたします。 はい。あのもう口酸っぱくして言ってますけど分本当面白いんですよ。あのこれこの分落を知らないって本当に損だと思うので、え、まだ、え、経験のない方は是非、え、見ていただきたいし、入門編としてはベストだと思います。 [音楽] で、分落を知ってる方もおすすめというか 、あ、こういうやり方もあるんだとか、あ 、こんな表現もあるんだってことを、え、 知ってさらに、え、好きになってもらえる ような気もしますので、え、是非とも皆 さん、あの、ご覧になってください。 よろしくお願いいたします。
演出家・脚本家の三谷幸喜氏が15日。都内で行われたPARCO PRODUCE 2025 三谷文楽『人形ぎらい』開幕前会見に登壇。文楽への愛をあふれさせた。
三谷氏は、監修・出演を務める人形遣いの吉田一輔氏とともに、本作の主人公の人形・陀羅助が板付きの舞台に登場。その手に三谷氏そっくりの三谷くん人形を抱え、フォトセッションではピースやお手振りでアピールした。
三谷くん人形は退場し、会見がスタート。13年ぶりの三谷文楽の新作となるが、三谷氏は「改めて思ったんですけど、めちゃくちゃおもしろいんですよ。こんなにおもしろいものがあるのかと。演劇のおもしろさを十分に知っているつもりなんですけど、それとはまた違う、すてきでドリーミーな世界があったんだと改めて感じて。とにかく知ってほしいし、そういう機会になるといいなと思います」と冒頭から熱弁した。
三谷氏の言葉を受けて、吉田氏は「文楽をこんなにおもしろいものがあるのかと言っていただけるのは、伝統芸能の力ですが、プレッシャーでもあります」と吐露。これにすかさず三谷氏が「本当におもしろいんですよ!びっくりするぐらいおもしろいんです」と熱く重ね、吉田氏も「ありがとうございます。期待に答えられるように頑張って務めたいと思います」と応えた。
文楽の魅力について、三谷氏は「本当におもしろいんですよ」と再度伝えた上で、「なんでこんなにおもしろいんだろうって客席で観ていたんですけど、お客さんとして観ると、はじめはなんて小さい人たちが出てきたんだろうって思うし、その後ろにいる黒い人たちはなんだろうって思うんですけど、違和感が30秒くらいでなくなって、その後は本当に引き込まれるんです」とし、「その小ささがいい」と解説。「これで例えば文楽人形が30メートルくらいあったら集中できない」とユーモアをまじえて例をあげ、小さいからこそ「丁寧に表現されていく世界」と絶賛。「これを知らないで生きている人は生きる価値がないんじゃないかっていうくらい」と私見で笑いを誘った。
吉田氏いわく、本来文楽にはない喜劇を展開する三谷文楽。今作では、通天閣を登ったり、スケートボードに乗ったりと、さまざまな表現で観客を楽しませるという。会見の最後にも、三谷氏は「口酸っぱく言っていますけど、文楽は本当におもしろいです。文楽を知っている方も、こういうやり方もあるんだとか、こんな表現もあるんだっていうことでさらに好きになってもらえると思いますので、よろしくお願いいたします」と呼びかけた。
2012年に誕生した三谷文楽『其礼成心中』は、2012年以降も各地で上演を重ね好評を博した。今作『人形ぎらい』は、13年ぶりの三谷文楽新作となる。時は現代、文楽の劇場を舞台に、主人公は人形たち、役を演じている人形自身の話となる。近松門左衛門作『鑓の権三重帷子』(槍の名人で色男の権三&人妻おさゐが、不義密通の濡れ衣を着せられる物語)。それを演じる権三役の源太&おさゐ役の姐さん&万年引き立て役の陀羅助の3人。陀羅助は憎まれ役ばかりを演じさせられることに不満が爆発。ついには人形たちが劇場を飛び出し…という物語。
再び文楽へ挑む三谷の元に、監修・出演(人形遣い)に、13年前の『其礼成心中』公演の仕掛け人で、その活動を賞して2023年関西元気文化圏賞 ニューパワー賞を受賞した吉田氏、作曲・出演(三味線)に、『其礼成心中』でも音楽を担当した鶴澤清介氏、出演(太夫)に、『其礼成心中』にも出演、2022年には太夫に与えられる最高の資格である「切語り」に昇格した竹本千歳太夫氏と、三谷文楽には欠かせないメンバーがそろった
公演は、あす16日~28日に東京・PARCO劇場にて上演される。
WACOCA: People, Life, Style.