米国による追加制裁や関税引き上げを警告=ブラジル前大統領息子

 8月14日、クーデター計画の罪などで起訴されたブラジルのジャイル・ボルソナロ前大統領の息子で現在米国に滞在しているエドゥアルド・ボルソナロ連邦下院議員(写真)は、ロイターのインタビューに応じ、父親への「迫害」を理由に米政府がブラジルの政府・司法関係者に追加制裁を発動し、場合によってはさらなる関税を課すことになると警告した。8月14日、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Jessica Koscielniak)

[ワシントン 14日 ロイター] – クーデター計画の罪などで起訴されたブラジルのジャイル・ボルソナロ前大統領の息子で現在米国に滞在しているエドゥアルド・ボルソナロ連邦下院議員は14日、ロイターのインタビューに応じ、父親への「迫害」を理由に米政府がブラジルの政府・司法関係者に追加制裁を発動し、場合によってはさらなる関税を課すことになると警告した。

 トランプ米大統領にジャイル氏への支援を求めるため3月に渡米したエドゥアルド氏はこの日、複数の米政府高官や議員らと面会した後で、現在ジャイル氏の裁判を行っているブラジル最高裁判所が「譲歩」しない限り、ブラジルが米国の関税引き下げを交渉できる余地はないと断言。「(ブラジル)最高裁はもはや力を失ったと理解しなければならない。この紛糾した事態で最高裁が勝利するシナリオは存在しない。彼らは世界最大の経済力(米国)と対立しているのだ」と語った。

 トランプ政権はブラジル製品に対して計50%の関税を発動するとともに、ジャイル氏の訴追に関与した司法関係者に金融制裁を科して、ジャイル氏への「魔女狩り」をやめるよう要求している。

 ジャイル氏起訴に関してトランプ氏は14日記者団に、政治的な動機に基づく法執行だとの考えを改めて示した。

 エドゥアルド氏は、米国がブラジル産の牛肉やコーヒー、魚介類、靴などに適用した関税に言及し、これはジャイル氏に対する「司法からの越権的な攻撃」を抑制するための「苦い薬」だと説明した。

 その上で「米国の動きを貿易というレンズを通してしか見ようとしない全ての人に、それではうまくいかないと伝えてきた。われわれが統治機構の危機を解決するというシグナルをまず米国に送らなければならない」と主張した。

 一方ブラジルのルラ大統領は、トランプ氏の要求を主権国家に対する侮辱だと一蹴。最高裁はジャイル氏とエドゥアルド氏が、国内の裁判を巡ってトランプ氏に助けを求める姿勢を問題視し、調査を進めている。

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Marcelo Teixeira

Covers agricultural commodities and biofuels, including production, trade and transportation, based in New York. Former Brazil correspondent and climate/environment reporter. Brazilian, holds a Bachelor of Journalism degree and has done post-graduate studies in Environmental Reporting from Germany’s InWent Institute and Foreign Policy and International Political Economy from Harvard University. Avid soccer and tennis player.

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