インドのモディ首相は7日、ブラジルのルラ大統領と貿易について協議し、両国関係を強化することで一致した。米国との関係が悪化する中、モディ氏は8月中に中国を7年ぶりに訪問する見通しだ。

Modi and Lula

ルラ大統領(左)とモディ首相(2024年11月、リオデジャネイロ)

Photographer: Dado Galdieri/Bloomberg

  ブラジル政府の発表資料によると、モディ首相とルラ大統領は、両国に対する米国の一方的な関税措置について話し合い、貿易関係の強化について再確認。電話による協議は約1時間続いたという。

  トランプ米大統領を名指ししていないが、米国が発動した関税で「現在までに最も影響を受けているのはブラジルとインドの2カ国だ」としている。

  非公開情報だとして匿名で明かした複数のインド政府当局者によると、モディ首相は中国の天津市で開かれる上海協力機構(SCO)首脳会議に出席予定。その際に習近平国家主席と個別会談も行うとしている。会議は8月31日-9月1日に開催される。インド外務省は電子メールでの問い合わせに対し、すぐに回答しなかった。

  ルラ大統領との電話会談と訪中は以前から予定されていたとはいえ、一連の動きは米国による50%の関税に直面しているインドにとって大きな意味を持つ。トランプ氏は6日、ロシア産原油の購入や貿易障壁を理由に、インドからの輸入品に25%の追加関税を課す大統領令に署名。すでに発動している25%関税に上乗せされる。インド側はロシアからの購入継続を示唆しており、関税措置を「不当」と批判している。

  米国はブラジルに対して、すでに50%の関税を発動している。

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Source: Bloomberg

  ブラジル政府の発表によると、電話協議ではルラ大統領が来年インドを訪問することについても確認。さらに、ブラジルの「Pix」を含む仮想決済システムについても話し合ったという。Pixは米通商代表部(USTR)による調査の対象になっている。

  モディ首相は「ルラ大統領と良い対話ができた」とX(旧ツイッター)に投稿。貿易や防衛などの戦略的パートナーシップを強化していくことで一致したとしている。

Had a good conversation with President Lula. Thanked him for making my visit to Brazil memorable and meaningful. We are committed to deepening our Strategic Partnership including in trade, energy, tech, defence, health and more. A strong, people-centric partnership between Global…

— Narendra Modi (@narendramodi) August 7, 2025

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Source: Bloomberg

原題:Modi Speaks With Lula, Plans Xi Meeting as Ties With US Sour (2)(抜粋)

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