家族連れで賑わうWAICの会場(筆者撮影)
宙返りを繰り返す四足歩行ロボット
[上海発]米中テクノロジー覇権の行方を探るため7月下旬、上海で開かれた「世界人工智能大会」(WAIC)や現地企業を取材した。ユーザーの代わりにタスクを自動的に実行するAIエージェントや人型ロボット、ロボタクシー、空飛ぶタクシーの社会実装の速度に目眩を覚えた。
上海入りする前に大阪・関西万博もほんの少しのぞいた。中国人の間で日本旅行は「20世紀への旅」と呼ばれている。大阪生まれの筆者(63歳)は1970年の大阪万博を思い出した。米国館の「月の石」やソ連館の宇宙船「ソユーズ」が懐かしい。家族で何時間も並んだ。
WAICも大阪・関西万博同様、家族連れで大にぎわいだった。大阪・関西万博の狙いの一つは、仮想空間と現実空間を高度に融合させ、成長と社会的課題の解決を両立する日本発の「Society 5.0」を世界に発信することだが、WAICのエネルギーとド迫力には遠く及ばなかった。
WAICの取材を終えてホテルの自室に戻ると、中国中央電視台(CCTV)のチャンネルが人型ロボットと四足歩行ロボットの番組を延々と流していた。宙返りを繰り返す四足歩行ロボットやボクシングをする人型ロボットの映像が脳裏に焼きつけられ、夜は少しも眠れなかった。
犬型ロボットと人型ロボットによるダンスのパフォーマンス。中国移動(チャイナモバイル)が独自開発した(写真:新華社/共同通信イメージズ)
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ターミネーターの一群が頭の中を歩き回り、恐ろしかったのだ。
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