米アップルは中国で初めて直営店を閉鎖する。同国での販売回復に向けた取り組みの後退となる。

  同社は28日、遼寧省大連市の中山区にあるパークランドモール内の直営店を8月9日をもって閉店すると発表した。同ショッピングモールの環境変化を理由に挙げている。

  アップルは大中華圏に約56店舗を展開しており、これは世界全体の530店超の1割以上に相当する。

  アップルは発表文で「当社は常に、大中華圏にある50以上のアップルストアおよびオンラインを通じ、全ての顧客に卓越した体験を提供することに注力している」とした上で「パークランドモールから複数の小売業者が撤退していることを受け、当該店舗を閉鎖する判断を下した」と説明した。

  中国は現在、消費低迷や世界的な関税の影響による輸出減速を背景にデフレ圧力に直面している。

  今回閉店が発表された店舗は、大連市にある2店舗のうちの一つ。大連恒隆広場(オリンピア66)ショッピングモール内にあるもう一方は営業を継続する。両店舗は徒歩でおよそ10分の距離にあり、アップルによると閉店する店舗の従業員にはもう一方の店舗で勤務する機会が提供される予定。

  全体としてアップルは中国市場での巻き返しを図っている。8月16日には深圳の前海ユニウォークに新たな直営店をオープンする。また、今後1年以内に北京と上海でも追加出店を計画していると、ブルームバーグ・ニュースが報じている。同社は今年1月、安徽省にも新店舗を開設した。

原題:Apple to Shutter a Retail Store in China for the First Time Ever(抜粋)

 

WACOCA: People, Life, Style.