米自己勘定トレーディング会社ジェーン・ストリート・グループは、インド証券取引委員会(SEBI)が自社の同国での取引活動について「多くの誤った、あるいは根拠のない主張」を行っていると社員に伝えた。同社は当局の指摘に対して異議を申し立てる方針を明らかにしている。
週末に社員宛てに送られた電子メールでジェーン・ストリートは、同社が「指数を操作」したとするSEBIの主張について、前提と内容を強く否定すると表明した。
SEBIは4日、ジェーン・ストリートに対し、インド証券市場へのアクセスを一時的に禁止し、違法に得たとされる利益484億ルピー(約820億円)の没収する内容の暫定命令を出した。SEBIによれば、ジェーン・ストリートは2023年1月から25年3月までに行った取引で、総額約43億ドル(約6300億円)相当の利益を上げた。
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これに対しジェーン・ストリートは、「当該命令の前提および内容のいずれも、断固として否定する」と強調し、「当社についてこのように誤って伝えられていることは極めて遺憾だ」と付け加えた。
同社はまた、SEBIの報告書には極めて扇情的な言葉遣いが見られ、自社の取引に関して根本的な誤解があると指摘。規制当局への正式な回答を準備しており、法的対応も検討しているという。SEBIに8日コメントを求めたが応答はない。
SEBIは、ジェーン・ストリートが規制当局や取引所による行動改善の働きかけを無視していたと指摘しているが、これについても同社は社内向けの電子メールで反論。同社によれば、24年8月以来SEBIからの照会に対して対応を続けており、インドの2つの証券取引所から今年2月に書簡を受け取った後は、その懸念を正確に把握するまでの間、取引を停止したという。
SEBIによれば、ジェーン・ストリートはバンク・ニフティ指数に連動した週次オプションの満期日に、現物および先物市場の価格を押し上げる取引を行うと同時にオプション市場で大規模な弱気ポジションを構築し、その後に現物および先物価格を押し下げてオプション市場で利益を得た。
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ジェーン・ストリートは、SEBIが「日中の指数操作」と表現した取引は基本的な指数裁定取引の一例にすぎず、金融市場では一般的に行われているもので、関連する金融商品の価格を整合させるための手法だと反論している。

ジェーン・ストリートは、SEBIによる指数操作の指摘からは「標準的なヘッジ手法や、デリバティブ市場と現物市場との関係性を一貫して誤解していることがうかがえる」と主張。
同社の取引活動は「金融市場の健全性にとって明確にプラスの効果をもたらすものであり、ジェーン・ストリートのような市場参加者がいなければ、インドのデリバティブ市場と実体経済との間に経済的なつながりは生まれない」と社員宛てメールで論じた。
さらに「当社は世界各国の市場で果たしている役割に誇りを持っている。それだけに、数多くの誤った、あるいは根拠のない主張に基づいた報告書によって評判を傷つけられることは非常に遺憾だ」としている。
原題:Jane Street Defends India Trading Activity and Blasts Regulator(抜粋)

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