平和願う心 次代の子に 遺族連合会の巡回授業始まる 泉小 

戦後の暮らしなどを語る金沢市遺族連合会の小林茂隆会長(右から2人目)=同市泉小で

 太平洋戦争の記憶と記録を小学生に伝えようと、金沢市遺族連合会は本年度の平和教育授業を始めた。初日の8日、代表3人が同市泉小を訪れ、戦後の暮らしや平和への思いを6年生107人に語った。

 冒頭、戦後80年に合わせて市の助成を受け作った映像「戦中のくらし、戦後のくらし」を上映した。会長の小林茂隆さん(83)、ともに副会長の柴田勝弘さん(81)と山岸由紀子さん(84)が語り手を務めた。

 小林さんは、戦後の小学生時代を写真とともに回想。「皆が貧乏で、給食のコッペパンと脱脂粉乳が楽しみなくらい、物がなかった。妹のためにパンをいつも半分持って帰る同級生がいた」と話した。

 柴田さんは、戦時中の日本が兵士の不足から大学生を徴兵し、鍋や鐘といった金属製品を供出させたことを紹介。山岸さんは「父を失い、苦労と我慢をした。私のような遺児を二度とつくらないため戦争は絶対にやめてほしい」と語った。

 屶網倖成(なたみこうせい)さん(11)は「こんなに詳しく戦争について聞いたのは初めて。鉄や銅の製品を集めていたのが印象に残った。生活できない」と驚いていた。豊岡紫音(しおん)さん(11)は学徒動員された大学生に「不安だったと思う」と心を寄せた。

 約50分の授業を終え、「子どもたちはメモをとり、一生懸命聞いてくれた」と小林さん。「日本では平和が当たり前になっているからこそ、戦争の悲惨さ、戦後のしんどさを伝えなきゃいけない」と力を込めた。

 平和教育授業は今月中に計8校を巡る予定。感想の作文を募り、優秀者を10月の市戦没者慰霊式で表彰する。 (谷口大河)

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