豪、在テヘラン大使館を閉鎖 イラン・イスラエル対立激化で

 6月20日、オーストラリアは、「安全保障環境の悪化」を理由に在テヘラン大使館の業務を一時停止したと発表した。写真はウォン外相。2024年9月、ニューヨークで撮影(2025年 ロイター/David Dee Delgado)

[シドニー 20日 ロイター] – オーストラリア政府は20日、「治安情勢の悪化」を理由に在テヘラン大使館の業務を一時停止したと発表した。イスラエルがイランの核施設を再び攻撃し、1週間続いている双方の攻撃の応酬に収束の兆しが見えないことが背景。

イスラエルは13日、イランの核兵器開発を阻止するための先制攻撃だとして、イランに対する徹底的な空爆作戦を開始。イランは反発し応戦している。

ウォン外相は声明で、「オーストラリア政府は、イランの治安情勢悪化に関する助言に基づき、全てのオーストラリア政府関係者と家族の出国を指示した」と述べた。

ウォン氏は記者会見で、「イランの治安情勢は非常に不安定だ」と述べた。空域が開放された際に自国民と外交官の避難を支援するために、防衛要員と航空機が中東に派遣されており、これらの航空機は戦闘には使用されないと説明した。

「われわれは他のパートナー諸国と緊密に連絡を取り合っている。現地の状況により現段階では領事サービスを提供する能力は極めて限られている。領空は引き続き閉鎖されている」と述べた。

イランから陸路での出国を支援するため、隣国アゼルバイジャンに領事スタッフを派遣しているという。

「われわれは危機対応チームをアゼルバイジャンに派遣する手続きを進めている。アゼルバイジャン国境にたどり着いたオーストラリア人を支援することが目的だ。アゼルバイジャン国境はテヘランからの脱出に最も利用される可能性が高い」と語った。

オーストラリアの駐イラン大使は政府の対応を支援するために現地にとどまる。

ウォン氏はルビオ米国務長官とイスラエルとイランの紛争について協議したことを明らかにした。

米国が紛争への介入を決めた場合の軍事支援要請があったかとの質問に対し、ウォン氏は「そのような要請はなかった」と答えた。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab

WACOCA: People, Life, Style.