欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのナーゲル・ドイツ連邦銀行(中銀)総裁は16日、景気やインフレの見通しに対する不確実性が依然として高いため、ECBは金利についてあらゆる選択肢を維持すべきだとの考えを示した。
ナーゲル氏は、フランクフルトのユーロ・ファイナンス・サミットで、「現在の環境では、重要な要因が急速に変化し得るため、柔軟性を保つことが賢明だ。追加利下げや金融政策の据え置きなど、将来の方向性をあらかじめ決めてしまうのは適切ではない」と述べた。
ナーゲル氏は、最近の経済データやECBの予測は、インフレ抑制という「目標が達成された」ことを示唆しているとした上で、引き続き警戒が必要と強調した。同氏は、イスラエルとイランの間で続く対立に言及しつつ、「物価安定に対するリスクを重視することが大切だ」と語った。

ユーロ圏のインフレ率は、5月に2%の目標をわずかに下回る水準まで鈍化し、2026年までさらに減速した後、27年には目標水準へ戻ると予想されている。
ECBのデギンドス副総裁は16日、ロイター通信とのインタビューで、インフレ率2%を下回るリスクは「非常に限定的」であり、先行きのリスクは「バランスが取れている」との見解を示した。
ナーゲル氏もこの見方に同調し、サービス物価の上昇など基調的なインフレ率がなお高水準にあるため、「インフレ率が持続的に目標を下回る可能性は低い」との見方を示した。
現在の金利水準について、同氏は「幅広い展開に対応する上で非常に良い位置にある」と述べた。
原題:ECB Mustn’t Commit Either to a Pause or a Rate Cut, Nagel Says(抜粋)

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