メンバーが大幅シャッフルとなった日本代表にとって、W杯アジア最終予選ラスト2連戦は“消化試合”ではない。5日の敵地オーストラリア戦(日本時間20時10分キックオフ)に向けての予想スタメン、そして主将のMF遠藤航(32歳)や24歳の誕生日を迎えた久保建英らが語った意思とは。〈NumberWeb現地レポート/全2回。第2回につづく〉

前日会見で遠藤が話したのち、拍手をしたワケ

 キャプテンの遠藤航は、隣に座った日本代表の広報に拍手を送った。まるで、かつてリバプールの指揮を執ったユルゲン・クロップ監督のようなジェスチャーで――。

 それはなぜか。遠藤自身が想いを込め、時間をかけて丁寧に話した内容を、広報スタッフがしっかりと英語に訳して現地メディアへ伝えてくれたからだった。

 筆者が遠藤にぶつけた質問は以下のようなものだった。

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「代表歴の浅い選手がこれほど多く招集されるのは、2018年の森保監督体制での初陣以来です。そこから遠藤選手が勝ち残ってこられたのは何故だと考えますか?」

第1次森保体制と今回のメンバー構成は似ている

 遠藤の回答を記す前に、状況を整理しよう。今回の日本代表のメンバーは、じつは森保一監督体制での初陣と似ている。そう言えるのは、以下のような似たデータがあるからだ。

〈今回の日本代表メンバー〉

前回の代表戦から入れ替わった選手:14人

初招集:7人

代表出場歴5試合未満の選手:16人

〈2018年の森保体制初陣〉

前回の代表戦から入れ替わった選手:18人

初招集:4人

代表出場歴5試合未満の選手:16人

 そんな厳しい競争を勝ち抜いてこられた理由を、遠藤はこう分析した。

「一番はやはり、ここまで着実にステップアップをしてきたところです。ロシアW杯が終わってから海外に行って、そこからベルギー、ドイツ、そして今、イギリスにいます。所属クラブで高いパフォーマンスを発揮しながら、ここまで来られたということ。それがまず選手として、今ここにいられる最大の理由なのかなと思います。僕が海外に行ったのはだいぶ遅かったですけど、今、ここにキャプテンとしていられるのは、自分の道をしっかり作って、ここまで来られたからだと思う」

あの時は長谷部さんが代表引退して…

 遠藤は森保監督の下での初陣の直前、浦和レッズからベルギーのシント・トロイデンへと移籍した。すでに25歳になっていた遠藤はようやく届いた海外からのオファーを快諾した。後に、当時の心境をこう振り返っている。

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