5月29日、メキシコ中央銀行が今月15日に開いた前回の金融政策決定会合で、理事会メンバーの5人全員が世界での貿易政策発表によって不確実性が高くなっているとの認識で一致していたことが分かった。写真は2024年4月、メキシコ市の中銀前で撮影(2025年 ロイター/Henry Romero)
[メキシコ市 29日 ロイター] – メキシコ中央銀行が今月15日に開いた前回の金融政策決定会合で、理事会メンバーの5人全員が世界での貿易政策発表によって不確実性が高くなっているとの認識で一致していたことが分かった。中銀が29日発表した議事要旨に盛り込まれた。
中銀は同日発表した四半期報告書で、2025年のメキシコの国内総生産(GDP)予測を前年比0.1%増とし、従来予想の0.6%増から引き下げた。国内の経済活動の鈍化と、米国の貿易政策の不確実性の影響が要因だと説明した。
議事録によると、中銀は「世界レベルでの貿易の不確実性への影響もあり、いくつかの経済活動指標は予想外に下振れした」と言及。理事会メンバーの大半は、貿易政策の変化が世界経済の見通しに著しい不確実性をもたらしたと指摘した。
メキシコの5月前半の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で4.22%上昇。市場予想より大きく、中銀目標範囲の2―4%を上回った。
理事会メンバーの大半は、26年第3・四半期までに上昇率が目標範囲内に戻ると予想している。
また、大半のメンバーが経済活動に対するリスクが依然として下振れしているとの見解を表明。1人はこれがインフレ率を想定より大きく押し上げ、インフレ率見通しの上方修正につながる可能性があると警告した。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab