ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.05.30 09:28
第21代大統領選挙の期日前投票初日の29日、ソウルのある投票所で投票用紙が外部に多数搬出される事態が発生した。金竜彬(キム・ヨンビン)中央選挙管理委員会事務総長は「投票所現場の事務人員の過ちもすべて選管委の責任であることを痛感し、国民の皆さまに深くお詫びする」と明らかにした。
選管委と目撃者によると、この日午前11時から昼12時ごろまでソウル西大門区(ソデムング)所在の旧新村洞(シンチョンドン)住民センター期日前投票所の前では、投票用紙と投票用封筒を手に持った約40人の投票者が列に並んでいた。この投票所に管外投票者が集まり、一部の人たちが身分証と本人確認を終えた後、投票用紙を先に受けて投票所の外に待って出たのだ。投票所が狭く、選挙人待機空間が十分でないという問題があり、期日前投票の管理官が管外期日前投票者の待機空間を外部に拡大したと、選管委は説明した。
付近の大学教職員のAさんは「昼食の時間にこの投票所に行ったが、待機者の列が30メートルほど続いていた」とし「投票所内に入って出てきた人たちの手に封筒のようなものがあり、案内文だと思っていたが、実際には投票用紙と封筒だった」と話した。当時の状況を撮影したパク・ジュンヨン氏のユーチューブ映像によると、投票所の外の列に並んでいる一部の有権者は投票用紙と封筒とみられる紙を持っていた。
一部の市民は投票用紙を所持したまま投票所の外に出て、食事をしてから戻ってきた。この過程で2次身分確認もないまま投票が行われたという疑惑も提起された。一部では「期日前投票を中断するべきだ」という主張も出てきた。
ただ、選管委によると、この日、管外投票者(4243人)と投票箱の投票用封筒の数は一致した。選管委は「選挙名簿を確認した後、投票用紙を配付するので投票に誤謬が生じることはない」と明らかにした。選管委の関係者は「投票用紙を投票所の外に持って出て行ってはいけないという明確な法規定はない」と説明した。また「再発防止のため全国選管委に新村(シンチョン)の事例を伝えた」と話した。
こうした状況に対し、国民の力中央選挙対策委員会のパク・ソンフン報道官は「投票所内の統制、身分確認、投票用紙管理など総体的な問題が発生した」とし「選管委は『規定上問題はない』という安易な対処で事態を放置した」と指摘した。同党の裵賢鎮(ペ・ヒョンジン)議員も「国民への謝罪、責任者の処分などの措置も覚悟するべき」と主張した。
一方、この日、全国的に投票所で長い列が目立った。ソウル中区小公洞(ソゴンドン)の期日前投票所には午前11時30分ごろから管外選挙人待機者の列が500メートルほど続いた。仁川(インチョン)国際空港3階の期日前投票所には数百人が集まった。ソウル北阿峴洞(アヒョンドン)期日前投票所に夫と来た女性(78)は「期日前投票日に投票するのが習慣になった」とし「すべてのことを差し置いてでも投票は必ずしなければいけない」と強調した。