ムーディーズ、イタリアの格付け見通しを「ポジティブ」へ引き上げ

 5月23日、格付け会社ムーディーズは、イタリアの格付け見通しを「安定的」から「ポジティブ」へ引き上げた。写真は、ローマのコロシアム。5月15日、ローマで撮影(2025年 ロイター/Eloisa Lopez)

[23日 ロイター] – 格付け会社ムーディーズは23日、イタリアの格付け見通しを「安定的」から「ポジティブ」へ引き上げた。メローニ政権下の昨年の財務実績が「予想を上回った」ことと、イタリア政府の計画を支える政治状況が「安定的」であることを理由に挙げた。ムーディーズは「明るい見通しは強固な労働市場、健全な家計、企業のバランスシート、堅調な銀行分野にも支えられている」とも指摘した。

格付けは、投資適格級の格付けで最も低い「Baa3」に維持した。

イタリアのジョルジェッティ経済財務相は「ムーディーズの評価は、政権発足後に私たちが進めてきた真剣かつ黙々とした取り組みの結果だ」と歓迎する声明を出した。

格付け会社S&Pは4月、イタリアの格付けを「BBB」から1段階引き上げて「BBBプラス」としていた。

トランプ米大統領による輸入品への関税引き上げを背景に、イタリア政府は2025年の国内総生産(GDP)成長率見通しを従来の1.2%から0.6%へ引き下げた。一方、25年の財政赤字がGDP比で3.3%となり、26年に2.8%になるとの見通しは据え置いた。

イタリアの公的債務はユーロ圏でギリシャに次いで2番目に多い。25年の公的債務のGDP比は136.6%と、昨年9月に設定した目標の136.9%をやや下回ると予測している。

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