NY外為市場=ドル全面安、トランプ氏の対EU・アップル関税の警告を嫌気

ニューヨーク外為市場ではドルが全面安となった。(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 23日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが全面安となった。トランプ米大統領が欧州連合(EU)や米アップル(AAPL.O), opens new tabに対する関税について警告したことを受け、世界経済や貿易への影響を巡る懸念が再燃し、ドル売りが膨らんだ。トランプ大統領は23日、EUからの輸入品に6月1日から50%の関税を課すことを勧告すると表明。また、米国内で販売されるアップルのiPhoneが米国内で製造されていない場合、アップルが25%の関税を支払う必要があると警告した。 もっと見る

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのシニア市場ストラテジスト、エリアス・ハダッド氏は「現在ドルの重しとなっている主因は、米政策に対する信頼の失墜だ。貿易戦争が継続する中、各国は米国への依存を再評価する動きになっている」と述べた。

ドルは安全資産とされる円に対し、2週間ぶり安値を付けた後、終盤の取引では1%安の142.48円。週間ではドル/円は2.2%値下がりし、4月7日以来の大幅な下げとなる見通し。

23日に発表された4月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数、コアCPI)が前年比3.5%上昇し、2023年1月以来の大きさとなったことは、円への追い風となった。 もっと見る

ユーロ/ドルは0.8%高の1.1363ドル。ユーロは一時2週間ぶり高値を付け、週間では6週間ぶりの大幅な上昇となる見込み。

主要通貨に対するドル指数は0.8%安の99.09と、3週間ぶり安値を付けた。週足では1.9%安と、4月初め以来の大幅な下落率となる勢い。

ポンド/ドルは一時3年超ぶりの高値を付けた。その後は0.9%高の1.3533ドル。週間では1%高と、5週間ぶりの伸びを記録した。

TDセキュリティーズのグローバルFXストラテジスト、ジャヤティ・バラドワジ氏は、ドルと米株が同時に売られていることに言及し、今年に入りドルが避難先としての役割を果たしていないことを浮き彫りにしていると述べた。

表はLSEGデータに基づいています
※外為市場

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