<ロンドン株式市場> まちまちで取引を終えた。FTSE100種(.FTSE), opens new tabは3営業日続伸し、約2カ月ぶりの高値を付けた。英国と欧州連合(EU)が関係再構築につながる新たな協定を締結したことを好感した。一方、ムーディーズが16日に米国債の格付けを引き下げたことで、慎重な姿勢もみられた。中型株で構成するFTSE250種指数(.FTMC), opens new tabは0.05%安と、8営業日ぶりに下落した。

英国とEUの合意には、安全保障・防衛に関する協定のほか、食品輸出入などの規制緩和、漁業協定も含まれる。

ベレンベルクの英国担当シニアエコノミストは、今回の合意が英国のEU離脱による食品輸出減に与える影響は部分的だとしつつ「企業の安心感につながる」との見方を示した。

安全資産としての需要から金価格が値上がりしたことを受けて、FTSE350種貴金属株指数(.FTNMX551030), opens new tabは1.58%上昇。酒造大手のディアジオ(DGE.L), opens new tabは0.9%安。債務削減のため2028年までとする5億ドルのコスト削減方針などを発表したものの、売りが優勢だった。

ロンドン株式市場:

<欧州株式市場> 小幅に続伸して取引を終えた。好調な業績への期待から、旅行関連銘柄などが買われた。ドイツのDAX指数(.GDAXI), opens new tabは0.70%高と、終値としての最高値を更新した。

米中関税摩擦の緩和や、欧州中央銀行(ECB)が利下げを決めるとの観測が背景にある。

一方、ムーディーズが16日に米国債の格付けを引き下げたことで、慎重な姿勢もみられた。

STOXX欧州600種旅行・娯楽関連株指数(.SXTP), opens new tabは0.92%高。欧州格安航空大手ライアンエア(RYA.I), opens new tabが欧州全域で需要が堅調だったとし、運賃が回復する見通しを示したことから4.8%上昇した。ドイツの航空大手ルフトハンザ(LHAG.DE), opens new tabも2.6%高。自社株買い計画を発表したフランスの銀行BNPパリバ(BNPP.PA), opens new tabは3.4%上昇した。一方、STOXX欧州高級品株10種指数(.STXLUXP), opens new tabは0.85%安。イタリアの高級衣料品モンクレール(MONC.MI), opens new tabは2.2%、フランスの高級ブランドLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)(LVMH.PA), opens new tabは1.1%、それぞれ下落した。中国の4月の小売売上高の伸びが市場予想を下回ったことが売り材料視された。

欧州株式市場:

<ユーロ圏債券> 国債利回りが取引序盤で米債に追随して上昇した後、マイナスに転じた。米中貿易戦争の休戦を巡る疑念から安全資産への資金流入の動きが見られた。

中国は米国に対し、半導体の輸出制限に関する「不正行為を直ちに是正する」よう要求。米中貿易戦争緩和への期待は後退した。

取引序盤では、トランプ米大統領が掲げる減税策を盛り込んだ法案が予想以上に債務負担を拡大させるとの懸念から米債は上昇。ユーロ債もこの動きに追随した。

ただ午後の取引では、ユーロ圏の指標金利であるドイツの10年債利回りは1ベーシスポイント(bp)低下の2.576%となった。

ECBの金利見通しに敏感なドイツ2年債利回りは1.5bp低下の1.84%。

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのウンシュ・ベルギー中銀総裁は17日に公開された英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)のインタビューで、ECBの政策金利は「2%をやや下回る」水準への引き下げが必要になる可能性があるという見解を示した。 もっと見る

金融市場では、年内にECBの預金金利が1.73%になるとの見方を織り込む。先週16日の取引終盤からほぼ変わらずだった。

イタリア10年債利回りは1bp低下の3.596%。

独伊10年債利回り格差は99.7bpとなった。

ユーロ圏金融・債券市場:

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