2018年の主要7カ国首脳会議(G7サミット)で、腕組みをしたトランプ米大統領に向かいドイツのメルケル首相(当時)が身を乗り出している写真が撮影された。西側陣営の首脳らが強烈な個性を放つトランプ氏に対抗する様子を示していると広く受け止められた1枚だ。

  カナダが再びG7議長国となった今年、米国の同盟国は18年のような状況を繰り返したくないとの考えでおおむね一致している。

  ホワイトハウスが同盟国をも対象に大規模な関税措置を発表し、世界経済の見通しを悪化させているにもかかわらず、今回は公の場での米国との対立を避けるため、各国はあらゆる努力を払うつもりだ。

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  関係者によると、今週アルバータ州で開催されるG7財務相・中央銀行総裁会議で、参加国はベッセント米財務長官に対しトランプ氏の貿易政策に反対していると伝えるとともに、緊張緩和と共通の立場を探り、特に中国に関して協調を図ると見込まれている。

Heads Of State Attend G7 Meeting - Day Two

 18年にカナダのシャルルボワで開催されたG7サミットで、メルケル独首相がトランプ米大統領らと協議している様子を捉えた有名な写真

Photographer: Jesco Denzel /Bundesregierung/Getty Images

  サミットに先立ち進められているのは、通商政策とウクライナに関する共同声明に向けた集中作業だ。関係者の1人によれば、G7の一部メンバーは貿易に関する文言で米国から言質を得ることを目指しているが、困難が伴うと予想されている。

  トランプ政権の貿易交渉担当者の一人であるベッセント氏は、各国の財務相と個別に会談する予定。

中国

  G7全体が一致点を見いだす可能性が高いテーマの一つが中国だ。カナダは議長国として、中国の貿易慣行を議題に盛り込み、全参加国の関心を結集させているが、一部には対中批判が過度になり得ると懸念する声もある。

  ベッセント氏は、中国の過剰生産能力が他国の製造業と生産に大きな損害を与えているという米国の主張を展開する見通し。各国は対中貿易措置を強化し、米国と歩調を合わせている。

Bessent, GOP Huddle On Taxes As Economic Tension Builds

ベッセント長官

Photographer: Stefani Reynolds/Bloomberg

  フランスは、中国の格安小売り「Temu」や「SHEIN」などからの小包に追加料金を課す方向で、英国も同様の措置を検討している。これは、米国が「デミニミス(非課税基準額)」を撤廃した措置に似ている。

  カナダは昨年、中国製の電気自動車(EV)や鉄鋼、アルミニウムに対する米国の関税におおむね追随。しかし、カナダや欧州連合(EU)加盟国を狙った「トランプ関税」により、中国に対するG7の結束がやや損なわれている。

  準備作業に関与している関係者は今週のG7会議について、外部との対決に臨む前に家族内の問題を整理する必要がある集まりだと表現した。

  英国は最近、米国とインド、EUとの取り決めで合意。リーブス英財務相は自国の成長促進のため、開かれた自由貿易の重要性を強調する方針。貿易推進の先頭に立つ姿勢を示すつもりだが、ベッセント氏との会談では英米合意に残された未解決の問題にも対処する必要があるかもしれない。

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  ベッセント氏は日本との交渉を担当しており、加藤勝信財務相と為替問題を含む重要な議論を行う予定だ。

  加藤氏は20日、ベッセント氏とは為替レートが市場で決定されることや過度な変動が経済に対して悪影響を与え得るとの原則が確認されており、今回の協議でも「それをベースに引き続き議論がなされていく」との見通しを示した。

原題:G-7 Aims to Avoid Public Spats With US Despite Trade Turmoil (抜粋)

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