北米や欧州、東南アジア、そしてロシアまでEC(電子商取引)による中国製品があふれている。コロナ禍で世界的にオンライン消費が急増したことも大きく後押しした。

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 中国から外国に販売する越境EC(電子商取引)が盛り上がり、世界市場を席巻している。SHEIN、Temu、アリエクスプレス、TikTokショップが4大サービスといわれている。日用品や趣味用品、インテリアなどが激安で買えるため、欧米などではかなりの人気だ。品質も確実に向上しており、飛躍的な成長を遂げている。

 中国国内で消費が低迷し、モノ消費からコト消費へと移る中、中国メーカーとしても生き残る上でこうした越境ECサービスの台頭は渡りに船で、多くの企業が海外に商品を売ろうとこれらのサービスを利用している。他方、新型コロナウイルス禍を経て世界的にオンライン消費が急増したことも、中国の越境EC業界の成長にとって大きな後押しとなった。

 ECの世界的大手は米アマゾンであり、ECに出品する中国企業も当初利用していたのはアマゾンだった。しかし、アマゾンは21年に架空注文やレビュー捏造(ねつぞう)を理由に中国業者の大規模な締め出しを行い、売上金が凍結されたため、倉庫内の商品出荷ができなくなった。この一件によって中国企業のアマゾン不信が高まり、代わりに支持されて台頭したのが中国の4大サービスだった。

 4大サービスは中国企業の販売をサポートすると同時に、他の3社とは競合関係となる。各サービスは売り手と買い手を集めるべく、サービスを磨きつつ補助金をばらまき、利用者を増やしていった。日本では他国にはない100円ショップやプライベートブランドなどの低価格商品の充実により、4大サービスはそこまで普及していないが、世界では着実に中国の越境ECが浸透している。

アリババ、バイトダンスも

 SHEINはファッション分…



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週刊エコノミスト

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