ウクライナ、「参照通貨」をドルからユーロに切り替え検討=中銀総裁

5月7日、ウクライナ中央銀行のピシュニー総裁はロイターに、通貨フリブナの「参照通貨」をドルからユーロに切り替える検討を開始したと明らかにした。2016年10月撮影のイメージ写真(2025年 ロイター/Valentyn Ogirenko/Illustration)

[ロンドン 7日 ロイター] – ウクライナ中央銀行のピシュニー総裁はロイターに、通貨フリブナの「参照通貨」をドルからユーロに切り替える検討を開始したと明らかにした。

ウクライナはロシアの軍事侵攻を受けた2022年2月直後、資本規制の一環としてフリブナを対ドルで固定する措置を実施したが、23年10月からは、為替介入や相場平衡操作の際にドルを指標として参照する形の管理相場制度に移行している。

ただピシュニー氏は、ウクライナが将来欧州連合(EU)に加盟する可能性に加えて、ウクライナの防衛力強化のためにEUが果たす役割が強まっていることや、世界貿易の分断化が進む恐れなどにより、中銀としてもフリブナの参照通貨をユーロに変更すべきかどうか考慮せざるを得なくなったと明かした。

トランプ米大統領が打ち出した関税措置によって、ドルの国際的な信認が揺らいでいるという事情もある。

ウクライナ政府内から参照通貨を変更する可能性についてこれほどはっきりと言及したのはピシュニー氏が初めて。もっとも同氏は「作業は複雑で、質が高く多方面にわたるような準備が必要になる」とくぎを刺した。

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Karin Strohecker is the London-based Global Chief Correspondent for Emerging Markets, leading a team that covers debt and economic issues and investment trends in developing nations around the globe. Having joined Reuters more than 20 years ago, Karin has worked in text and television in Frankfurt, Berlin and Vienna, covering major events such as IMF World Bank meetings in Washington, the World Economic Forum in Davos, OPEC meetings and the World Cup.

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