ロシア、貿易戦争想定の経済予測を初公表 25年成長率1.8%

 4月30日、ロシア経済省は、米国の保護主義政策に起因する国際的な貿易戦争を主要リスクと位置づけ、「高リスクシナリオ」の経済予測を初めて公表した。今年の経済成長率は高リスクシナリオで1.8%となる見通し。モスクワで2月撮影(2025年 ロイター/Evgenia Novozhenina)

[モスクワ 30日 ロイター] – ロシア経済省は30日、米国の保護主義政策に起因する国際的な貿易戦争を主要リスクと位置づけ、「高リスクシナリオ」の経済予測を初めて公表した。

今年の経済成長率は高リスクシナリオで1.8%となる見通し。基本シナリオでは2.5%と予測しているが、エコノミストの間では楽観的過ぎるとの見方が多い。

北海ブレント原油価格の予測は高リスクシナリオで今年1バレル=58.1ドル、来年は50ドルまで下落する。

同省は「高リスクシナリオでは、貿易戦争の激化と世界経済の大幅な減速を想定しており、原油などロシアの伝統的な輸出品の国際需要・価格が落ち込むことになる」と述べた。

今年のインフレ率については、基本シナリオで7.6%、高リスクシナリオで8.2%と予測。中央銀行の利下げ転換が遅れれば、国内生産の拡大が阻害され、状況が一段と悪化する恐れがあるとしている。

今年のルーブル相場の予測は、高リスクシナリオで平均1ドル=96.6ルーブル、基本シナリオで94.3ルーブル。今年は38%上昇し、足元では81.7ルーブルで取引されている。

輸出の減少で貿易黒字が縮小し、ルーブル安が進むとしている。

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