5月1日、 三井物産は2026年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前年比14.5%減の7700億円となる見通しだと発表した。写真は都内で2016年5月撮影(2025年 ロイター/Toru Hanai )
[東京 1日 ロイター] – 三井物産(8031.T), opens new tabは1日、2026年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前年比14.5%減の7700億円となる見通しだと発表した。原油価格の下落に加え、鉄鉱石や原料炭などの価格低迷が続くとみているほか、為替円高が影響する。前期に計上した資産売却益がなくなることも業績を押し下げた。
年間配当は1株115円で、前期実績の100円から増配を計画している。
会社予想は、IBESがまとめたアナリスト11人の純利益予想平均8536億円を下回った。期中平均の為替レートは1ドル=140円(前年実績152.57円)。
堀健一社長は会見で、米関税の影響を含め「一定の保守性を置くことが妥当」と述べた。「基礎収益力の強化は着実に進んでいる」としながらも「北米自動車事業のマージンの正常化、インフレ、金利、為替などの事業環境変化への対応にある程度時間を要することも勘案した」と、大幅減益を説明した。
同社の米州事業の純利益は約3000億円。このうち、米国のシェールガスを活用したメタノール製造など米国内で完結する事業の割合が最も大きく、米関税の直接的な影響は相対的に小さいものの「マクロ環境への影響が大きく、不確実性を増大させるため、事業環境変化への感度を高めて、機動的な施策を講じていく」とした。
新規投資についても「このような環境だと、より慎重になり、厳選の水準を上げて行く」と述べた。
アラスカ州での液化天然ガス(LNG)の生産事業への参画については「個別案件についてコメントを控える」としたうえで、一般論として、LNG開発プロジェクトは全体の経済性と持続性を徹底的に検証、確保することが必要と指摘した。
25年3月期の連結純利益は前年比15.4%減の9003億円だった。会社計画の9200億円を下振れた。市況下落のほか、退職給付制度の改定やエネルギー関連の減損損失などの一過性のマイナス要因も大きかった。
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