【アコーディオン文化を未来へ繋ぐために】アコーディオンの修理・調律師になるために、本場イタリアで修行します!  

 

▼はじめに      

プロジェクトをご覧いただきありがとうございます!小林真奈美(こばやしまなみ)です。

現在、TOKYOベイアコ+rossoとして、修理・調律・文化発信を継承していく予定です。

 

小学校に置かれていることが多く、誰でも一度は目にしたことのあるであろうお馴染みの「アコーディオン」。海外メーカーのシェアが高い中でも、日本人の愛好家も少なくありません。

そのアコーディオンが、今、まさに”失われつつある楽器”であることをご存知でしょうか?

 

私は大人になってからの趣味の一環として始めたアコーディオン活動を通じて初めて、「今メーカーがどんどん潰れていること」や「アコーディオンの修理・調律師が日本でほとんどいないこと」を知り、大変驚きました。

 

その悲しい事実を知ったとき、「大好きなアコーディオンが、これからも楽しみ続けられるようにあってほしい」「自分も何かで一助になりたい」と強く願い、圧倒的になり手がいない<アコーディオンの修理・調律師>になるべく、2年前から日本の工房に弟子入りをしています。

 

▲師匠の原田さんとTOKYOベイアコの工房

 

師匠からは日々、さまざまな技術を教えていただいていて、現在も修理や調理の修行をひとつひとつ丁寧に進めています。しかし、工房に新しく届くアコーディオンたちの中身を知るたびに、海外製のパッケージや海外部品の多いアコーディオンの知識を、日本の工房の中だけで習得することは難しい、と痛感しています。

 

未来のアコーディオン文化を支えていける立派な職人になるためには、やはり一度日本を飛び出して、アコーディオンメーカーの本場イタリアでも修理ノウハウとスタンダードについて知見を広めなければ一人前に届かない、と感じました。30歳も過ぎ、個人的にも大きな決断ではありましたが、このたび単身でイタリアへ赴くことを決めました!

 

しかし、この円安の中、自身の滞在費を切り詰めても自己資金のみでイタリアでの修行費を捻出することが難しく…。アコーディオンの音色を愛する皆様にご支援をお願いしたく、こちらのプロジェクトを立ち上げました。 

 

▼自己紹介~アコーディオンとの出会い、修理・調律師を志すまで~     

 

あらためて、私が何者なのか自己紹介させてください!兵庫県神戸市生まれ。高校卒業後、早稲田大学へ入学を機に上京しました。大学時代はラテンアメリカ研究ゼミでキューバ研究に没頭し、キューバにも3回訪れました。「何事も机の上や本の中だけでなく、現場を見て生の声と情報に触れて初めて自分のモノになる!」というマインドはこのころから変わっておりません!

 

「音楽が好き」という理由で楽器・音響機器の通販会社最大手であるサウンドハウスに新卒入社。職場のみんなが何かしらの楽器を弾けるのをみて自分も何か始めたいと思っていました。アイリッシュやカントリーなど、欧米民謡が好きで、なかでも「アコーディオン」の独特のリードサウンドが作る世界観が大好きなことに気づき、27歳のときに思い切ってアコーディオンを購入しました。

 

初めてのアコーディオンは、真っ赤なボディがチャーミングなHOHNERのCONCIERTO IV。メーカーはドイツ、中身はチェコ。60年ほど前に当時のエントリーモデルとして作られた楽器でした。購入したときからすでにおじいちゃんレベルの年代物でしたが、今も元気に活躍しています。アコーディオンは修理・整備をすれば本当に長く活躍してくれる楽器だということをしみじみ実感しています。(ちなみにこの写真は30歳のときに三十路式と称して着物着て写真を撮ってもらったものです^^)

 

その後の転職を経てメディア業界に入った矢先、世間はコロナで大騒ぎになりました。あらゆるアーティストや音楽ライブもその影響を受け、主にオンラインを中心としたいろんな活動が多様化したと記憶しています。そんな中、とあるアコーディオンアーティストがYoutubeでの発信で、「イタリアのアコーディオンメーカーがどんどん潰れている。」という話をしてくださいました。そこで、私の大好きなアコーディオンが、今苦境に立たされていることを知り、「これは私も何かしたい!」と思うようになりました。

 

タイミングを同じくして、引き続き趣味として続けていたアコーディオンがちょくちょく調子が悪くなるたび、アコーディオン奏者ならご存じのTOKYOベイアコにお世話になっていました。そこで、原田さんの古いものでも直して長く使う、「再生」の美学に触れ、自分もその形でアコーディオンに携わり続けたいと憧れを持つようになりました。

 

こうして「アコーディオン業界を盛り上げたい」ことと、「アコーディオンを修理・調律という観点から携わりたい」という思いが合致して一念発起。現在、TOKYOベイアコで修理・調律の修行中です。ベイアコが行なってきたレンタルサービスやカスタムアコーディオンの開発、Facebookでの修理塾発信などの取り組みに触れながら、“事業としての面白さ”も感じています。これらを通して将来、誰でも気軽にメンテできるような仕組みづくりや、アコーディオンのある暮らしの普及を目指しています。また、修行・工房通いをするために、正社員からフリーランスに私自身の業態を切り替え、工房の近くに引っ越しまでして、半ば押しかけ女房のような形でして日々仕事を教わっております。(工房にはぜひいつでも遊びに来てくださいね!)

 

 

▼イタリアで何をするか     

 

イタリアのアコーディオンの街、カステルフィダルドという街に主に滞在予定です。滞在期間中の目的は大きく2つあります!

 

①Accordion Craft Academy(アコーディオンクラフトアカデミー)に通う

有数のアコーディオンブランド「Victoria」が運営する、Accordion Craft Academy(https://www.accordioncraftacademy.com/en/)に通って、イタリアにおける修理ノウハウや、調律の基礎、イタリアにおける考え方を学びます。

ここでは、4つのレベル別コースがあり、私が行く予定の10月は本来1・2のレベルのコースしか開講予定ではなかったのですが、直接交渉をして10月内で4レベルすべてが受講できるよう整えてもらいました。(日本からくるのは大変だろうから、と大変な心遣いをしてくださった運営スタッフの皆様には本当に感謝です!)

今工房通いでは、日々あらゆる不良・故障に対してどう対応するか、調律についてどのように行い、どのように調整するかというノウハウをたくさん吸収しています。日本ならではのやり方や考え方をしっかりとモノにした後で、本場イタリアでのノウハウや音に対する考え方・メーカーならではの音へのアプローチをコースを通じて学び、2つを融合させることで、より高度に洗練された技術に昇華させることを目指します。

 

②イタリアのメーカー訪問

TOKYOベイアコではDino Baffetti(ディノバフェッティ)というメーカーとお付き合いがあります。その代表的なサービスとして、現地からボディから鍵盤、ボタンや蛇腹などを仕入れ、色や柄、装飾までフルオーダーメイドする仕事を日本国内で請け負っています。ベイアコの代名詞であるオーダーメイドサービスが継続できるよう、Dino Baffettiへ訪問し、今後とも密なコミュニケーションを土台としたサービスの品質維持および品質向上ができるようにします。

 

そのほか、カステルフィダルドにはたくさんのアコーディオンメーカーや部品メーカーが集まっています。主に各所と長くお付き合いしていくためのファーストコンタクトと現地調査を兼ねて訪問を予定しています。将来、まだ見ぬアコーディオンを日本に持って来れるよう、時間と先方の都合が許す限り、メーカー訪問をしたいと思っています。これは進捗があり次第随時更新します!

 

<スケジュール予定>

9月末   イタリア入り

10/1~23  Accordion Craft Academyでのコース受講

24~31  メーカー訪問

11月上旬 

 

帰国そのほかにも、様々なチャンスや、日程が迫ってきたらわかるイベント予定などがあると思いますので、どんどん飛び込んでいく予定です!  

 

▼資金の使用用途と目標額設定について     

今回のイタリア修行で必要な費用の概算を以下で考えています。

授業料              ¥500,000

渡航費              ¥250,000

滞在費              ¥500,000

Readyfor利用料 ¥250,000

総額               ¥1,500,000

今回、第一目標として授業料である50万円で設定させていただきます。

 

第一目標達成後は、第二目標として150万円まで拡充します。

 

現状業務委託や派遣業での仕事で生活費を稼ぎながら工房にて修理・調律を学んでいるため、帰国後もしばらくは同じ体制になる予定です。今回のために用意した自己資金を生活費に回して帰国後の修理・調律業に優先して時間を使っていけるようにできればと考えておりますので、最終目標として150万まで設定させていただきます。

 

▼さいごに     

「アコーディオンシーンをもっとおもしろく」をベイアコ+rossoのスローガンとして掲げていきます。そのために、修理・調律業だけでなく、原田さんがベイアコでつないできたアコーディオンレンタルサービス、カスタムメイドの新品アコーディオン、新しい調律メソッド、さらに個人でできる楽器メンテナンス「Facebook アコーディオン修理塾」に加え、私が今まで全く違う業界で培ってきたの社会人経験でのアイデアやノウハウを存分に活用して、アコーディオン業界全体を盛り上げていきたいと思っております。その第一歩としてイタリアでの学びを必ず糧にして、アコーディオン業界全般とアコーディオンの音色を愛する皆さんに還元していきたいです。

 

 

 

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