カナダの消費者物価は市場予想に反して伸びが鈍化した。それでも、米関税政策を巡る強い不確実性を背景に、カナダ銀行(中央銀行)は16日の会合で政策金利を据え置くとの見方がやや優勢だ。
カナダ統計局が15日発表した3月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.3%上昇。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査では、2.7%上昇への加速が見込まれていた。2月は2.6%上昇だった。
前月比では0.3%上昇。市場予想は0.7%上昇。2月は1.1%上昇だった。
カナダ中銀が注目する2つのコアインフレ指数、コアCPI中央値とトリムの平均は前年同月比2.85%上昇。2月の2.9%上昇から鈍化した。
発表後にカナダ・ドルは米ドルに対して下落。カナダ国債は上げ幅を拡大した。
カナダ中銀が政策金利の据え置きを決めれば、昨年6月の利下げサイクル開始後で初めて。混乱を極めるトランプ米大統領の関税政策で著しい不確実性が生じている上に、同中銀が最近公表した調査結果で、貿易戦争がインフレを押し上げると消費者や企業が予想していることが示された。
しかし、主要インフレ指標が市場予想を下回ったことから、カナダ中銀は、景気てこ入れを図って8会合連続の利下げに踏み切る選択肢を保持したことになる。
金利スワップ市場では、CPI発表後に利下げ確率がいったん約45%に上昇。その後は発表前とほぼ同水準の約35%に戻った。

カナダ商業会議所のエコノミスト、アンドルー・ディカプア氏は「貿易を巡る緊張が激化し続けたら、経済成長鈍化と物価上昇が同時進行するスタグフレーション的な環境に陥るリスクがある。とりわけ米国が関税措置を導入する中で景気に関する不透明感は非常に強く、カナダ中銀は16日の会合で政策金利を据え置くと予想する」と述べた。
CIBCのエコノミスト、キャサリン・ジャッジ氏は、物価上昇圧力が緩和したことは、16日会合での0.25ポイント利下げ予想と整合的だと主張。貿易戦争に伴う経済成長下押しリスクは、関税から生じるインフレ上昇リスクより大きいとリポートで指摘した。
原題:Markets See Bank of Canada Hold Despite Inflation Easing to 2.3%(抜粋)

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