欧州の金融規制当局は、1兆2000億ユーロ(約194兆円)規模の資産担保証券(ABS)市場の監督を合理化し、報告要件を簡素化する方法を模索している。政策立案者への提言をまとめた報告書から分かった。
ブルームバーグ・ニュースが入手した報告書によると、欧州の銀行、保険、証券の監督機関は、ABSの発行に伴う事務手続きを簡素化するためのいくつかの対策を提案しており、その中には、公開および非公開のABSへの全ての機関投資家を対象とした「簡素化されたデューデリジェンスのアプローチ」も含まれる。
報告書はまた、市場を監督する48の当局間で一貫した慣行を確立するか、あるいはより統合されたモデルに移行することも求めている。
報告書によると「主な提言には、定義の明確化、デューデリジェンスおよび透明性要件へのさらなる比例性の組み込み、欧州連合(EU)全体にわたる一貫した監督の確保などが含まれている」という。
報告書は欧州監督当局の合同委員会の調査結果を提示し、欧州委員会に対して提言を行っている。同委員会は欧州銀行監督機構(EBA)、欧州保険・企業年金機構(EIOPA)、欧州証券市場機構(ESMA)で構成されている。
EIOPAの広報担当者は欧州監督当局を代表してコメントすることを避けた。
原題:Europe’s Watchdogs Seek to Cut Red Tape in Asset-Backed Market(抜粋)
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