米国時間2025年2月27日,NVIDIAは,公式最新版グラフィックスドライバ「GeForce 572.60 Driver」をリリースした。WHQL(Windows Hardware Quality Labs,ウィクル)通過版となる本バージョンは,「モンスターハンターワイルズ」に対応したドライバだ。

 モンスターハンターワイルズに関しては,DLSS 2の超解像およびDLSS 3のフレーム生成に対応しており,レイトレーシングベースの反射を使用しているとNVIDIAはまとめているだけだ。注目のタイトルではあるが,とくに性能向上は明記していないので,NVIDIAとしては,あまりアピールするポイントがないように見える。

画像集 No.001のサムネイル画像 / 「モンスターハンターワイルズ」に対応した「GeForce 572.60 Driver」登場

 一方でNVIDIAは,人気の高いバトルロイヤルゲーム「NARAKA: BLADEPOINT」が,アップデートによってDLSS 4のマルチフレーム生成に対応したことを強くアピールしている。
 NVIDIAによると,GeForce 572.60 DriverとGeForce RTX 5090のマルチフレーム生成により,4K解像度では540fps以上,eスポーツタイトルで多用される1920×1080ドットなら,実に930fps以上という,もはや意味があるのかよく分からないレベルの超高フレームレートが得られるそうだ。
NARAKA: BLADEPOINTで,DLSS 4のマルチフレーム生成オン,オフによりフレームレートがどれくらい変化するかを示したグラフ

画像集 No.002のサムネイル画像 / 「モンスターハンターワイルズ」に対応した「GeForce 572.60 Driver」登場

 そのほかは,G-SYNC Compatible Displaysに29製品が追加された程度で,あまり規模の大きなアップデートとは言えないようだ。ただ,GeForce RTX 50シリーズの一部ユーザーが,NVIDIA公式フォーラムなどに報告していた「ブラックスクリーン問題」に対応したことは,注目に値する。ブラックスクリーン問題のすべてが,GeForce 572.60 Driverで解決しているかは不明だが,同問題に悩まされているGeForce RTX 50シリーズユーザーは,試してみるとよさそうだ。

 GeForce Driverを入手したい人は,以下に示したリンクか,NVIDIA App(あるいはGeForce Experience)のアップデート機能を利用してほしい。

→Windows 11,64bit版Windows 10用GeForce 572.60 Driver(844.82 MB)
https://www.nvidia.com/ja-jp/drivers/details/241223/
→ノートPC向けのWindows 11,64bit版Windows 10用GeForce 572.60 Driver(844.82 MB)
https://www.nvidia.com/ja-jp/drivers/details/241255/

●GeForce 572.60 Driverの対応製品

デスクトップPC向けGeForce RTX 50シリーズ
デスクトップPC向けGeForce RTX 40シリーズ
デスクトップPC向けGeForce RTX 30シリーズ
デスクトップPC向けGeForce RTX 20シリーズ
デスクトップPC向けGeForce GTX 16シリーズ
デスクトップPC向けGeForce GTX 10シリーズ
NVIDIA TITAN RTX
NVIDIA TITAN V
NVIDIA TITAN Xp
NVIDIA TITAN Xシリーズ
デスクトップPC向けGeForce GTX TITAN X
デスクトップPC向けGeForce GTX 900〜700シリーズ
ノートPC向けGeForce RTX 40シリーズ
ノートPC向けGeForce RTX 30シリーズ
ノートPC向けGeForce RTX 20シリーズ
ノートPC向けGeForce GTX 16シリーズ
ノートPC向けGeForce GTX 10シリーズ
ノートPC向けGeForce 900M〜800Mシリーズ
ノートPC向けGeForce MX 500シリーズ
ノートPC向けGeForce MX 400シリーズ
ノートPC向けGeForce MX 300シリーズ
ノートPC向けGeForce MX 200〜100シリーズ

●GeForce 572.60 Driverが統合するソフト

HD Audio Driver:1.4.3.2
PhysX System Software:9.23.1019
CUDA:12.8
NVIDIA Control Panel(DCH):8.1.967.0

●GeForce 572.60 Driverの新要素

モンスターハンターワイルズに対応
NARAKA: BLADEPOINTのアップデートに対応
G-SYNC Compatible Displaysに29機種を追加。G-SYNC Compatible Displaysの詳細は,公式Webサイトを参照のこと

●GeForce 572.60 Driverで解決した問題

Release 570世代で,Adobe製3D写真測量ソフト「Substance 3D Sampler」が,起動時にクラッシュすることのあった問題
Adobe製テクスチャ用3Dペイントソフト「Substance 3D Painter」で,GPUレイトレーシングを使用したベイク処理を行うと,テクスチャが壊れることのあった問題
Blackwell世代のGPUにおいて,3Dレンダラ「V-Ray 6」の「CUDA Vpath Test」の結果が,本来より低いことのあった問題
GeForce RTX 50シリーズでブラックスクリーンが生じるさまざまな問題
DSC(Display Stream Compression)を有効にしたDisplayPort 1.4経由で,超高リフレッシュレートのディスプレイをGPUに接続すると発生していたオーディオに関する問題
ピクセル化された2Dパターン(※ドット絵的な絵)をアプリケーションが表示すると,わずかに乱れることのあった問題

●GeForce 572.60 Driverにおける既知の不具合

通知エリアにあるGPUアクティビティアイコンの状態が,PCを再起動するまで変わらないことがある

ゲームプレイ中にバグチェック「IRQL NOT LESS OR EQUAL 0xa」が発生することがある。これは,割り込み処理中に無効なアドレスにアクセスしたことを示すWindowsカーネルのバグチェックで,カーネルモードドライバのバグにより生じる

WACOCA: People, Life, Style.