貿易収支1月は円安で2.75兆円の赤字、トランプ関税の影響「注視」

財務省が19日に発表した1月貿易統計速報によると、貿易収支は2兆7588億円の赤字だった。都内で2017年1月撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 19日 ロイター] – 財務省が19日に発表した1月貿易統計速報によると、貿易収支は2兆7588億円の赤字だった。円安などの影響で、2カ月ぶりの赤字となった。輸出は米国向け自動車などがけん引し前年比7.2%増、輸入は中国からのスマートフォンなどが押し上げ同16.7%増だった。輸出額は増加したが数量ベースでは減少が続いており、先行きについては米国の自動車関税の影響も「引き続き注視している」(財務省)という。

輸出は、円安の影響もあり金額ベースでは4カ月連続で増加。一方、数量は前年比1.7%減と3カ月続けて減少しており、財務省は「輸出が増勢に転じたと見るのは時期尚早」(幹部)としている。

1月は税関長公示の為替レート平均値は1ドル=157.20円と、前年比9.2%の円安だった。

米国向け輸出は同8.1%増と6カ月ぶりの増加。自動車は同21.8%増だったが、財務省によると台数は昨年11月が11万台、12月は14万台、1月は10万台で「必ずしも増加傾向とは言えない」(同)という。

米トランプ政権は米国に輸入される自動車に25%前後の関税を課す方針を示している。日本から米国に輸出する自動車の関税は現在2.5%で、関税が引き上げられると対米輸出の多い日本の自動車メーカーにとっては打撃になるとみられる。

財務省幹部は、貿易統計はさまざまな要因で動いているとしつつ、米国の通商政策が日本の貿易に与える影響については予断を許さず、引き続き「情報収集して注視している」とした。

日本最大の貿易相手国である中国向け輸出は、半導体等製造装置や半導体等電子部品の落ち込みにより6.2%減少した一方、輸入は18.3%伸び金額では過去最高を記録した。

財務省幹部は、1月の対中輸出入動向には春節休暇が影響している可能性があるとみる。例年、中国の旧正月休暇前には中国からの輸出は減り、輸入が増化する傾向があるため。

農林中金総合研究所の南武志・理事研究員は、輸出について「世界経済は2─3%伸びており、底を打ったとみていいのではないか」と指摘する。1月は米国向けで関税措置導入前の駆け込みがあった可能性もあり、いずれその反動は出るとみられるものの「世界経済が伸びれば、輸出は再加速とはいかないまでも緩やかに回復していく」と予想する。

その中で、「日本の自動車メーカーは、国内生産か米国生産かという究極の選択を迫られることになるだろう」として、米国の関税政策の影響がリスクだとした。

*財務省の発表資料は以下のURLをクリックしてご覧ください。

http://www.customs.go.jp/toukei/latest/index.htm, opens new tab

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梶本哲史 編集:田中志保

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