中国の新興企業ディープシークが公表した高性能・低コストの生成AI(人工知能)モデルの活用を模索する動きが中国企業の間で広がっており、直近では自動車大手の長城汽車や中国移動(チャイナ・モバイル)など通信大手が同モデルの導入に動いている。写真は1月25日撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)
[北京 9日 ロイター] – 中国の新興企業ディープシークが公表した高性能・低コストの生成AI(人工知能)モデルの活用を模索する動きが中国企業の間で広がっており、直近では自動車大手の長城汽車(601633.SS), opens new tabや中国移動(チャイナ・モバイル)など通信大手が同モデルの導入に動いている。
長城汽車はロイターに、ディープシークを自社のコネクテッドカー(常時ネットに接続する車)システムに導入したことを認めた。
また工業情報省は8日、中国移動、中国聯合網絡通信(チャイナ・ユニコム)、中国電信(チャイナ・テレコム)の国内通信大手3社が「最新のAI技術の包括的な応用を推進」し、ディープシークのオープンソースモデルと連携していると発表した。
このほかネットサービスの騰訊控股(テンセント)や通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)などの中国企業も最近、自社のサービスにディープシークのモデルを導入したと明らかにした。
ディープシークのAIプラットフォームは、まだ発展途上にある同業界のありようを一変させる可能性があり、中国のハイテク業界全体へのプラスの効果や中国資産の再評価に向けた動きを巡り投資家の間で憶測が広がっている。国内投資家はこの数日、AI関連企業、特に国内の半導体メーカー、ソフトウエア設計企業、データセンター運営企業の株式を競って買っている。
一方、ディープシークのAIモデルが追い風になりそうだとして投資家の間で注目を集めていたキャピタルオンライン・データ・サービス(300846.SZ), opens new tabとメイギー・スマート・テクノロジー(美格智能技術股分有限公司)(002881.SZ), opens new tabの上場企業2社は9日、同モデルの導入で事業の見通しが変わったわけではないと投資家に注意を促した。
キャピタルオンラインは深セン証券取引所に提出した声明で、ディープシークR1モデルを導入したが、今後の業績への影響ははっきりしないと説明。メイギーも同取引所への声明で、ディープシークのモデルの導入を進めているがまだ初期段階だとした。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab
WACOCA: People, Life, Style.