熱海市の土石流の起点とみられる土地で盛り土が崩れたことについて、難波副知事は7月7日、盛り土に関わった事業者に県や熱海市が是正指導を行っていたことを明らかにしました。

 地面がえぐられて崖になった部分から大量の水が流れ落ちています。伊豆山の町に襲い掛かった土石流の起点となった盛り土があった場所です。
<難波喬司副知事>「適正に工事がされていないのは間違いない。手続き違反がたくさんある」
 難波副知事は、午後の会見で盛り土に関わった事業者に対し、県や熱海市が過去に是正指導をしていたことを明らかにしました。林地開発許可をめぐる違反や盛り土に産業廃棄物が混ざっていたことなどがあったとしています。県によりますと、盛り土の造成工事は2007年に神奈川県内の不動産業者が届け出たものでした。6日、不動産会社の社長の自宅を尋ねました。応答はありませんでした。この不動産会社の社長から土石流被害が起きた後、相談を受けたという弁護士は。
<不動産業者から相談受けた弁護士>「日曜日に(電話が)2回あった。どうしたのって聞いたら、実は熱海の件だっていうから」
 土石流の起点周辺にあった盛り土いついて、県は約5万4000立方メートルと説明していますが、不動産会社が届け出たのはもっと少ない量だったと話しています。
<不動産業者から相談受けた弁護士>「産廃じゃないと言っていた。残土だと言っていたな。開発許可をとった残土を埋めていた。量の問題だなと思っている」
 一方、今回の災害の責任については。
<不動産業者から相談受けた弁護士>「(不動産会社は)自分は責任がないといった。はっきり言った。責任は自分はありませんと」
 盛り土の造成工事が行われた土地は、その後、2011年に現在の所有者に売却されました。所有者の代理人は売却された当時の様子について。
<ナレーション>「購入したときは、すでに階段状に盛り土されていた。一切盛り土はしていない」
 会見で難波副知事は、盛り土のあった周辺の土地の改変行為ではほかにも複数の法令違反があり、県や市が指導していたということです。
<難波喬司副知事>「電子データの推定は5.4万。ひょっとすると3.6万を超えてここに土砂が入れられた可能性がある」
 事業者が申請していた盛り土の量は3万6千立方メートルですが、県の推計では5万4千立方メートルとしていて、約2万立方メートル多かった可能性があるということです。
<難波喬司副知事>「もともとの計画は標高350mから15m積むと届け出がされています。実際に行われてているのは15mではなくて、50mの高さまで積まれているのが実際です」
 県は今後2次災害を防ぐために土石流の起点となった場所の周辺に崩れた土砂を止めるような応急処置を施したいとしています。
#オレンジ6 7月7日放送

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