トランプ次期米大統領は米国内のエネルギー生産を促進し、バイデン政権の気候変動対策を覆す計画の一環として国家非常事態宣言を行う構えだ。事情に詳しい関係者が明らかにした。
トランプ氏は20日の大統領就任式を終え数時間以内に、このエネルギー非常事態宣言を含め一連の措置を講じる見込み。
関係者が機密情報を理由に匿名を条件に明らかにしたところでは、トランプ氏は連邦政府所有地での新たな石油・ガス開発に道を開く政策転換を迫るほか、バイデン政権が導入した気候変動関連規制の撤廃を命じる用意がある。
大統領令の多くは発令しても長期にわたる規制プロセスが始まるだけだが、非常事態宣言は油田から自動車ディーラーに至る米エネルギー業界の全分野に影響を及ぼすことになる。
この宣言がどのように利用されるのかは現時点では不明だが、大統領は原油輸送に関する特別な権限や、発電・送電の方法変更を指示する権限を行使できるようになる。
トランプ氏は選挙戦中にエネルギーに関する国家非常事態を宣言すると明言し、人工知能(AI)の急速な普及に伴う電力需要の高まりに対応し、発電量を増やすために必要な措置だと説明していた。
当時のトランプ陣営報道官はコメント要請にすぐには応じなかったが、トランプ氏は19日に首都ワシントン中心部にあるキャピタル・ワン・アリーナで開いた集会であらためて非常事態宣言に言及。
「非常事態権限を活用して国や起業家、資産家が大規模発電所、AI向け発電所を建設できるようにするつもりだ」と述べ、「われわれは既に有しているエネルギーの2倍を必要としており、最終的にはさらに多くのエネルギーが必要になる」と主張した。
ニューヨーク大学ブレナン司法センターの報告書によると、大統領は国家非常事態の宣言により、通常ハリケーンやテロ攻撃など不測の事態に対処するために用意されている150もの特別な権限の行使が可能になる。
しかし、トランプ氏がこれらの権限を活用し、発電所建設という目標を達成できるかどうかは不明だ。
トランプ氏は1期目の大統領在任中、通常は自然災害などの危機への対応で用いられる連邦電力法の緊急権限を行使して、不採算の石炭火力発電所や原子力発電所の廃止を阻止しようとしたが、この試みは最終的に断念された。
原題:Trump to Declare National Energy Emergency, Unlocking New Powers(抜粋)

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