公開日時 2025年01月07日 05:00更新日時 2025年01月07日 10:52

同じ米兵が2カ月連続で摘発、米軍強調の「綱紀粛正」はどこに? 尚学院のドア含む2度の損壊事件 沖縄
沖縄県警(資料写真)

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琉球新報社

 昨年11月2日に那覇市泊の尚学院のドアを壊したとして、建造物損壊などの容疑で書類送検された米海兵隊上等兵の20代男性が、12月29日にも別の器物損壊事件で現行犯逮捕されていたことが、6日までに関係者への取材で分かった。同一人物が2カ月間で2度も摘発される事態に、米軍の強調する「綱紀粛正」の効力が疑問視される。

 上等兵は牧港補給地区(キャンプ・キンザー)所属。尚学院の出入口ドアを壊した事件では、上等兵はけがをして米軍内の病院に搬送されたため逮捕されず、氏名は公表されなかった。事件当時は泥酔状態だったとみられる。県警は12月10日に建造物損壊と建造物侵入の容疑で書類送検し、那覇区検は同25日付で器物損壊の罪で略式起訴した。

 那覇署によると、器物損壊事件は12月29日午前4時15分ごろに発生した。上等兵は那覇市松山の路上で駐車中の車のフロントワイパーをつかみ、折り曲げた疑いで現行犯逮捕された。泥酔状態だったという。

 関係者によると、上等兵は6日までに釈放された。

 二つの事件以前に米兵による性犯罪が相次いで発覚していたため、米軍は昨年10月1日から、基地外での兵士の行動などを規制する「リバティー制度」を見直し、午前1時から5時までの間、基地外のバーや居酒屋などの飲酒できる施設への出入りなどを禁じている。

 一方、制度見直し後も飲酒絡みの事件や飲酒運転は続発。昨年10月1日~11月末の米軍関係者の刑法犯摘発件数は17件で、飲酒運転でも6人が逮捕された。

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