東京メトロ丸の内線は、登場から30年程度が経過している営団02系が主力車両として運行しており、先代の500形系統に換る路線の顔となっていました。

2019年以降は、3代目とも言える斬新なデザインの東京メトロ2000系が投入されていますが、段階的に行われているため、3年以上が経過しても全体の3分の2程度までに留まっています。

その原因としては、コロナ襲来に伴う売り上げの減少で設備投資を抑えたとの考えや、半導体系の製造部品の調達困難などが挙げられています。

そのため、スタンダードで地味なデザインの02系が意外と長く君臨することになっており、他の東京メトロの路線と比較しても、古い車両が今でも残っている状態となっています。

<2022年度中の引退説>

丸の内線の新型車両2000系の発表があった2017年度の東京メトロの事業計画では、2022年度までに全53編成を導入して置き換えを完了させるとの内容がありました。

しかしその後の2021年度事業計画では、後から登場することになる有楽町線や半蔵門線の新型車両の導入数のほうが圧倒的に多くなっています。

このことから、丸の内線の新型車両の置き換え遅れの原因に、半導体系部品の調達不足は関係性が低いと考えることができます。

と当時に、当初計画にあった2022年度の完全置き換えも不可能であると考えられ、当面は安定的に運用できている02系の運行がしばらく続くことになりそうです。

<新しい運行システムへの対応>

東京メトロ丸の内線は、2023年度から新しい運行システムを導入する新技術開発の計画も発表されていたことがありました。

このシステムには02系は対応していないとされており、2022年度の段階で全編成が2000系に置き換えられていることが前提としていたタイムスケジュールとなっていました。

当然のことながら、この新運行システムの計画は延期になると考えられ、その影響が02系の延命につながっていると見ることができます。

これら要因などにより、幸いにして営団02系はまだしばらく丸の内線で運行することになり、お別れはまだしばらく先のこととなります。

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