北海道で最大震度7を観測した地震から丸1日がたった7日も、被災地は各地で停電や断水が続いています。また、地盤の液状化によって多くの家屋が傾くなど、甚大な被害が発生しています。今回の地震で北海道内で起きた「停電」や「地盤の液状化」は、東京都内でも発生する恐れがあります。停電と地盤の液状化に対し、私たち東京都民はどう備えるべきなのでしょうか。

<地震で“全域停電” 今からできる備えは?>

 災害時の対応について体験を通して学べる東京・墨田区の「本所防災館」は、平日も予約でいっぱいの状態が続き、参加者たちが防災への思いを新たにしています。訪れた人は「避難で家を出る時は、ブレーカーを落とす、ガスの元栓を切ることを教わった。意識したい」「懐中電灯を枕元に置いている」などと話していました。

 災害が起きた際に懸念される停電について東京都は、首都直下地震が発生した場合、17.6%の地域で停電が起こると試算しています。また、東京都の小池知事は「地域防災計画では『電力は1週間以内に回復する』としている」と説明しています。

 しかし、ひとたび停電が起きれば、その影響は深刻なものとなります。危機管理アドバイザーで防災士の和田隆昌さんは「東京は他地域より電気への依存度がはるかに高い。集合住宅、高層住宅に住んでいる人は、エレベーターが止まることを想定していないと思う。電気が止まることで水道が使えなくなる、トイレが使えなくなる、移動もできなくなる」と指摘します。1週間にわたる恐れもある停電への備えとして、和田さんは「備蓄をすることで一定期間、自宅内でとどまることができる。水や食料、必要なものを用意してほしい」と呼び掛けます。

<地震で注意…液状化 都内でも発生リスク>

 都内で災害が起きた際の懸念は停電だけではありません。今回の地震で、札幌市内の住宅地では土砂が道路にあふれ出し、車や家がのみ込まれました。この「液状化現象」の危険性は都内にもあります。7年前の東日本大震災で、江東区新木場周辺の埋め立て地では地震の影響で液状化現象が起き、地盤沈下で建物の塀が傾いたり路面との間に大きな段差ができたりしたほか、あふれ出した砂が下水道菅の中にたまって、トイレが使えない状態が続きました。街の人は「最近、災害が多いから不安」「怖いと思う。家を探す時は地盤が気になるようになった」などと話します。

 液状化は地震の揺れで地下水の圧力が高まって、大量の砂とともに地上に吹き出して泥水となった地盤に建てられた建物などが傾く現象です。臨海部の埋め立て地は海底の細かい砂を使って埋め立てているため、地盤が強く固まっておらず、液状化が起こりやすい地域があるということです。葛飾区や足立区など海から離れた内陸部でも池や沼を埋め立てた場所があり、東日本大震災では臨海部を含めた9区で液状化現象が確認されました。

 東京都では、ホームページに液状化しやすい地域を載せるなどして注意を呼び掛けています。

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