国際的なガイドブック「ミシュランガイド」で最高ランクの3つ星に輝く東京の高尾山は、年間で300万人が訪れる人気観光地です。高尾山はこの春、日本人だけでなく、多くの外国人が桜を求めて訪れています。

 四季折々の表情を見せ、東京都内でも有数の観光スポットとなっている高尾山は、年間を通して多くの外国人観光客が訪れます。春の時期、彼らのお目当ては都心よりも見頃の遅い、桜の花です。訪れた外国人観光客は「千本桜があると聞いて」「桜並木を見たくて。都心は全て散ってしまって、見られなかった」などと話していました。

 ケーブルカーを運行する高尾登山電鉄によりますと、春の桜の時期、外国人観光客の数は全体のおよそ2割に達するといいます。高尾登山電鉄の町田慎也運輸課長は「明らかに海外からのお客さまが増えている。(この時期は)桜を目当てに来ている」と話します。

 外国人観光客は日本の桜をどのように見ているのでしょうか。地元の東京・八王子市の人たちがボランティアで行っている外国人向けのガイドツアーに密着しました。4月5日のツアーに参加したのは、カナダから初めて日本を訪れたシェリル・フェルナンデスさんです。日本人の友達に高尾山を勧められたというシェリルさんの目的ももちろん「桜を見たくて来た」というものです。シェリルさんは「きのう(4月4日)、上野公園に行って桜を見たが、もう残り2~3本しか咲いていなかった」と話しました。

 山頂への道のりでは幸運のシンボルといわれる「たこ杉」を撮影し、山の中腹にある薬王院を通り、およそ1時間半で高尾山の山頂に到着です。桜が見えてくると「美しい!」と語り、お目当ての桜にシャッターを切るシェリルさんでしたが、山頂の桜は季節外れの暖かさで満開を過ぎていて「満開を見るにはもう少し早く来ればよかったかな」と思わず本音もこぼれました。

 さらなる桜を求めて、一行は奥へと進みます。すると…見事に咲き誇る桜の並木にたどり着くことができ、シェリルさんも笑みがこぼれます。高尾山にはさまざまな桜があるので、色が異なる桜のコラボレーションも見ることができます。シェリルさんは「白い桜とより色が濃い桜と種類が違うわね。とってもいいわ」と感想を語りました。

 1年のうち、わずか10日間ほどしか見られない美しい桜の姿──。散りゆく桜についてシェリルさんに聞いてみると「美しい花が散るのは悲しい。でも、その場所に新しい緑の葉が出てきて、命が続いていくんですよね」と意外な意見を聞くことができました。緑が濃くなる夏が一番いい季節になるという、カナダ出身のシェリルさんは、日本人のお花見とはちょっと違った見方をしていました。

 さらに歩くこと数分で、満開の桜が咲く目的地「一丁平」に到着です。満開の下、シェリルさんは桜を見ながらご飯を食べる「お花見」に挑戦です。初めてのお花見に、シェリルさんは「なんて平和ですてきなんでしょう。お酒やビールがあればもっといいわね」と語り、「東京には静かでリフレッシュできる場所があるということも知ることができた」と、初めての日本旅行の感想を語りました。

 シェリルさんに「また見にきたい?」と尋ねると「もちろん!」という答えが返ってきました。見るだけで心が弾む鮮やかなピンク色は、国を超えて人々の心を引き付けたようです。

(※高尾山の様子は、2018年4月5日の撮影です。)

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