3月16日の地震の影響で東北電力の一部の発電所が停止している中、国は3月22日初めて「電力需給ひっ迫警報」を出した。
当日の発表になったその背景には何があったか。
3月22日初めて出された「電力需給ひっ迫警報」。
発表を受け、岩手県内でも節電への取り組みが行われた。
街の人は…
「暖房の設定温度を2℃下げて過ごした。寒い日だったのでちょっと困ったなと思った」
「子供もいるので節電は難しいところもあったが、極力電気を使わないところは消すようにしていた」
盛岡市内では24日も引き続き節電に取り組んでいる店舗があった。
カフェ&デリカ ピエロ 筒井一海さん
「いつもだと液晶でメニューやイベントの告知を入れているが、今は消してしまっている」
こちらの喫茶店・カフェ&デリカ ピエロでは、照明の一部消灯や利用客がいない時間は暖房を弱めるなどの対策も行ったという。
カフェ&デリカ ピエロ 筒井一海さん
「できる限り協力はしないと。お互いの地域で支え合いながらやっているので」
なぜ今回、初の警報が出され節電が呼びかけられたのか、背景には私たちが普段使う電気の仕組みがある。
電力会社では家庭などで使う分量の電力を、同じ時間に同じ分だけ発電して「供給」している。
しかし、3月16日に起きた福島沖での地震の影響で東北電力では、火力発電所2基・152万キロワットが停止するなど、供給力が低下している。
本来、警報は前日までに出されるはずだったが、22日は気温の低下で想定以上に需要が増えたという。
東北電力ネットワーク岩手支社 齊藤英三設備計画部長
「思った以上に気温が低下し需要増になったこと。曇りで太陽光発電の出力減が重なり需給がひっ迫した」
国は供給力が不足すれば大規模な停電が起きる恐れがあるとして、初の警報に踏み切った。
東北電力によると、停止中の火力発電所が2基とも運転再開するのは5月上旬になる見通しだ。
国などは状況によっては再び協力をお願いする可能性があるとして節電を呼び掛けている。
東北電力ネットワーク岩手支社 齊藤英三設備計画部長
「天候が悪化した時には、需要と供給のバランスが崩れ需給状況が厳しくなることも想定される。引き続き日常生活に支障のない範囲で節電に協力してほしい」
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