JR中央線に12月23日、新型の特急車両「E353系」がデビューする。同線に新車両が投入されるのは16年ぶり。最新技術によって揺れを軽減し、乗り心地を改善。照明全てに発光ダイオード(LED)を使ったため、客室の明るさが大幅に増した。「スーパーあずさ」として、1編成12車両が新宿-松本を1日4往復する。
JR東日本によると、中央線は特急が走る路線の中ではカーブが多く、いかにして速度を落とさず安定して走らせるかが課題だ。車両を内側に傾かせることで遠心力を抑えられるため、カーブでは線路に一定の傾斜を付けた上、一部の特急は車両を振り子のように最大5度傾かせて走行している。
だが、「揺れ」への不満は少なくなかった。立ち仕事が多いためか、車酔いする乗務員も珍しくないという。
そこでE353系は車両を傾かせる方法を変更。振り子式ではなく、空気ばねを使うことで傾斜を最大1.5度に抑えた。新幹線でも使われている技術だが、JR東の特急に導入するのは初めてだ。加えて、微妙な揺れを検知して打ち消す装置を、特急では初めて全車両に搭載。最高速度130キロを維持しつつ、乗り心地の大幅な改善を図った。
実際に、記者が11月22日に新宿―大月間で試乗したところ、カーブの走行は滑らかだった。意識していた影響があるかもしれないが、八王子を過ぎてスピードが上がった後、遠心力で体や頭を引っ張られる感覚は一度もなかった。
この他、客室や通路、デッキで使う照明全てにLEDを使用したため、車内は「格段に明るくなった」(同社)。外国人旅行者の利用を見込み、半数以上の車両に荷物置き場を設けた。防犯カメラは、全ての乗降口の左右に計28台付けた。
674ある座席は、取っ手部分に点字で車両・座席番号を表示。可動式のフックと高さ調節できる枕も設置した。ビジネスの需要が多いため、ノートパソコンが置ける大きさのテーブルと電源コンセントも全席に備えた。オールLEDや点字、可動式フックはJR東の特急では初めてだ。
E353系の「顔」は縦長で、モダンなデザイン。青みがかかったメタリックグレーを採用し、松本城の漆黒を表現したという。車体の側面は、南アルプスの雪を表現した白を基調に、「あずさ」のイメージカラーである紫を上部に配した。
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